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テクノロジーで食の未来を考える、【SKS JAPAN 2025】レポート

『SKS JAPAN 2025——Global Foodtech Summit』が、10月23〜25日にかけてCOREDO室町テラス3階『室町三井ホール&カンファレンス』で開催され、50近いセッションと、ブース展示が行われた。主催は、UnlocXと、米国のフードテックメディア The Spoon。「食の未来を『体験』する場」として、国内外から多数の食のイノベーター達が集結した。

『SKS JAPAN 2025——Global Foodtech Summit』
https://unlocx.tech/sksj2025/

我々の生活と切り離せない『食』を取り巻く数多くの問題

『食』は、我々と我々の未来にとって非常に重要なテーマだ。人類約80億人、日本人約1億2000万人。誰ひとりとして、食と関係なく生きている人はいない。

今なお、安全で栄養のある食事を得られない人は約30億人と言われるし、今後気候変動や人口増により食料供給の問題はさらに深刻になっていくと言われている。日本に限って言えばカロリーベースの食料自給率は4割を下回っており、食料安全保障という意味では非常に危険な状態にある。肉を生産するための環境負荷は非常に大きく、また世界的に見て中国など人口の多い国が裕福になったことから肉食が増え、供給できる肉が不足し、代替タンパク質の開発も重要なテーマになってきている。

また、単に『栄養源』としてだけでなく、食べ物の『美味しさ』を追求することも大事だし、『食文化』という側面もある。これら多くの課題に対してテクノロジーができることは少なくない。SKS(元々は、スマート・キッチン・サミットと言っていた)は、これらの課題に英知を持ってあたるために、多くの人、企業を集めて、さまざまなセッションや、情報交換の場を提供している。ちなみに、一般向けの会場パスは13万円(各種割引あり。詳しくはSKSのサイトを参照のこと)。

『食×テクノロジー』で何が解決するか?

初日の基調講演では、UnlocXの田中宏隆氏とThe SpoonのMichael Wolf氏が登壇し、「日本のフードテック産業は第2ステージに突入した」と語った。世界では食由来の社会課題、たとえばフードロス、タンパク質危機、飢餓といったテーマが緊急度を増しており、それを技術と共創で解決するためには、これまで以上に産業・地域・国を超えた取り組みが必要だという。 また、三井不動産の七尾克久氏、三菱UFJ銀行の鈴木進介氏、さらにニューヨークの社会起業家Stephen Ritz氏が登壇し、都市・金融・教育が「食」を軸にリンクしていく構図が示された。

ここでは、すべてのセッションについて語ることはできないが、NTTデータによる香りの解析、都市開発と食、ジビエのレトルト化による地域創生、AIキッチン、キッチンOS、長寿と食、第一次産業衰退という課題、アグリテック、調理家電、医療と食、世界のフードテックエコシステムとの連携、宇宙と食、日本の食農の伝統技術、日本の食の多様性、醗酵・培養技術、小売り、外食産業……などなど多様で興味深いテーマに関してセッションが開催された。

3日目には、衆議院議員の鈴木憲和さんが登壇されるはずだったのだが、高市内閣で農林水産大臣に就任されたばかりということで、さすがに動画でご挨拶。

……と思ったら、なんとご本人登場!

就任したばかりでお忙しいはずなのに、実際に日本の農林水産大臣が足を運ばれるということに、このイベントの重要性が見て取れる。また、農林水産大臣が食について深く考えていらっしゃるというところに心強さを感じた。

配信元: Dig-it

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