土砂降りの雨が降る昼下がり、ステージ袖のスロープを降りていく高齢のマダムが1人。滑らないように濡れた足元を気にしつつも足早に送迎車に乗り込んでいった。その周囲には十数人の見送りの関係者が傘をさしながら低頭平身のポーズ。VIP扱いなのも無理はない。「西の女帝」こと上沼恵美子のお帰りシーンだったのだ―。
11月9日に大阪府の万博記念公園で開催された「ABCラジオまつり2025」でのこと。「上沼恵美子のこころ晴天スペシャルステージ」なるプログラムで「大阪ラブレター」、「人生泣き笑い」、「大阪ラプソディー」を生歌唱した。居合わせたABCラジオリスナーが振り返る。
「ラジオまつりは6年ぶり。朝から大雨が降っていたのに、ステージ周りには、上沼さんを一目見たい老若男女が約500人ごった返していました。ステージ前の座席も満員御礼。他のプログラムでは空席が目立っていただけに、今回のイベントの目玉企画だったのは間違いありません」
冒頭の場面はイベント終了後にステージから退場する一幕。バックステージ周辺にいた約100人のファンが彼女を出迎える。もっとも、激しい雨のせいもあってか、その声援には応える余裕はなかったようだが、御年70歳にしても人気が廃れる気配がない。
「2019年にリリースしたシングル曲『時のしおり』がオリコンシングル演歌・歌手ランキングで1位を獲得するなど、最近は歌手としての活躍も目立ちます。かつて、関西のテレビで見ない日はない大御所でしたが、20年に『快傑えみちゃんねる』(フジテレビ系)、22年に『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』(テレビ朝日系)と20年以上続いた冠番組を降板。スタッフへのパワハラ疑惑報道はもとより、歯に衣着せぬ芸風が昨今のコンプライアンスに抵触してしまうのでしょう。それでも、トーク力や歌声は健在なので、今後はコンサートやディナーショーでの露出も増えていくでしょう」(在阪メディア関係者)
同イベントでは北島三郎に「下手な漫才をやめて、東京へいらっしゃい」と歌手としてお呼びがかかるも丁重に断ったエピソードを披露。「歌手になりたかったけど、今世紀は無理でした」とオチを付けていたが、これからはアーティストとしても一時代を築いてほしい。

