アルピーヌのピエール・ガスリーは、現在低迷するチームが2026年シーズンの劇的な躍進に向けて奮闘する中、自らがチームのやる気の原動力となるよう努めてきたという。
今シーズンのアルピーヌは、トールマン、ベネトン、ルノー、ロータスの時代を含めても過去最低の成績に陥っている。コンストラクターズランキング争いでは、中団の6位〜9位の争いが激化する中で最下位(10位)となっており、サンパウロGP前の直近5戦の最高位はガスリーの15位と、その低迷は深刻だった。ただサンパウロGPではガスリーがF1スプリント8位、決勝10位と、久々にポイントを獲得したが、他チームとのポイント差は大きく開いたままだ。
チームのパフォーマンスが急落した理由はひとえに、技術規則が刷新される2026年シーズンのマシン開発に注力しているためだ。新規則での初年度は序列がシャッフルされる可能性があるため、アルピーヌとしてもここで一気にトップチーム入りを狙いたいところだ。
予算制限や空力テスト制限の兼ね合いもあり、アルピーヌは6月1日のスペインGP以降、今季のマシンA525にほとんどアップデートを行なっていない。A525が今後競争力をアップする可能性があるがとサンパウロGPの週末に尋ねられたガスリーは「そうは思わない」としつつも、「自分たちが置かれている状況はよく理解している」と述べた。
「明らかに、パフォーマンスという面では後退している。たとえばハースは、オースティン(アメリカGP)でもアップグレードを投入していたけど、僕たちは何ヵ月も前に開発を止めている」
「でも、それでいいんだ。あと4戦ベストを尽くして、それが終われば次のプロジェクトに移るんだ」
「僕としてはとてもワクワクしている。今はふたつ椅子の間に座っているような気分だ。というのも、確かに今シーズンはチームにとって本当に厳しいもので、まったく競争力がない。でもその理由は理解しているし、僕たちが戦略的に決めたことでもある」
「それによって来年良い成績が得られるなら、まさしく今年のことはどうでもいい。それだけの価値があるんだ」
「実際問題、今年そこそこの戦いができたとしても、それは自分たちが求めるレベルではない。この数週間、数ヵ月の頑張りで他のチームを追い抜き、大きな成功を収められる可能性がある。最終的にはそこを目指している」
「だから、チームの決断を完全に支持している。少し過激ではあるけど、大きな成果を残すには時に難しい選択をしなければならないんだ」
もっとも、このような状況でチームの士気を保つのは容易ではない。それでもガスリーは2028年まで契約を更新したことで、チームリーダーとしての役割をさらに意識しているという。
「僕の考えでは、一番大事なのはチーム全体のモチベーションを保つことだと思う」
「みんな世界中を旅しながら、可能な限りベストな状態でレースに臨めるよう全力で頑張ってくれている。だからポイントを持ち帰れないとチームもガッカリするし、そこに対するフラストレーションは確かにある」
「でも結局のところ、サーキットやファクトリーで働く1500人の仲間たちのためにも広い視点で見る必要がある。特に2026年に向けて大きなプロジェクトに取り組んでいることを知っているとなおさらね」
「かといって、毎回マシンに乗ってベストを尽くすという僕の姿勢は変わらない。以前のように楽しめているかと言われるとそうじゃないけど、今取り組んでいるプロジェクトや、今後何が起こるかも理解している。大局を見失わないようにしているんだ」
「だからこそ、僕がチームの全員にとってのモチベーションの核となるような存在でいることが大切だと思っている」

