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次なる日本人スターを占うレースに? 2025年マカオGPをプレビュー|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記

次なる日本人スターを占うレースに? 2025年マカオGPをプレビュー|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記

いよいよ今週末、2025年のマカオGPが行なわれます。今年もフォーミュラ・リージョナル規定によって争われますが、注目すべきは7人もの日本人ドライバーが参戦予定だということです。

 マカオ・ギア・サーキットで行なわれるシングルシーターの登竜門は、過去に日本人では佐藤琢磨(2001年)と国本京佑(2008年)が制していますが、それに追随するドライバーは今年現れるのでしょうか?

 既にエントリーリストは発表済ですが、その中に名を連ねている日本人ドライバーは、中村仁、加藤大翔、山越陽悠、リー海夏澄、佐野雄城、鈴木斗輝哉、梅垣清の7名。過去最多は2018年の9人で、それには及びませんが、とはいえ今大会に参戦するドライバーの中では、日本籍が圧倒的に多いです。

 近年はほぼ毎年のように日本人ドライバーが参戦してきましたが、好成績からは遠ざかっている印象です。2011年には関口雄飛が、2016年には山下健太が4位に入りましたが、日本人最後の表彰台は2008年の国本まで遡ります。

 2019年、そしてコロナ禍を挟んだ2023年はFIA F3車両によるレースとなっていましたが、昨年からは日本でも選手権が行なわれているフォーミュラ・リージョナル車両にスイッチされました。このことが日本チームの復活に繋がり、昨年はTOM'SとTGM GPが参戦しました。今年もトムスが引き続きエントリーしています。

 トムスはフォーミュラ・リージョナルの欧州選手権(FRECA)、中東選手権(FRMEC)に参戦する強豪チームと相対するわけですが、車両は前回同様、日本選手権で使われている童夢製シャシーではなく、欧州・中東で使われるタトゥース製の使用が義務付けられます。したがってトムスはオーガナイザーのトップスピードから車両と機材をレンタルしての参戦に。チームは昨年の経験があるとはいえ、タトゥースのマシンを熟知する海外チームと比べれば依然として不利な立場にあると言えるでしょう。

 しかもトムスから参戦する佐野と鈴木は共にマカオ初挑戦。優勝争いに絡むのは簡単ではないでしょう。マカオはどこよりも経験がものを言うサーキットだからです。

 国本がトムスで優勝して以降、ルーキーでマカオの頂点に立ったのはわずかふたり。リチャード・フェルシュホー(2019年)とルーク・ブラウニング(2023年)です。いずれもFIA F3規定の年で、2023年はコロナ禍による中止期間を経て参戦ドライバーのほとんどがルーキーになった年でした。

 したがって今年の優勝候補は、昨年参戦したドライバーの中から挙げるのが妥当でしょう。その筆頭と言えるのが今年のFRECAチャンピオン、フレディ・スレイターです。彼は初出場となった昨年のマカオでもクラッシュするまで3位争いを繰り広げ、話題を集めていました。その他、エンツォ・デリニー、マリ・ボーヤ、マッテオ・デ・パロ辺りも上位争いに食い込んできそうです。

 そして日本勢の中でマカオの経験があるのは、中村とリーのふたり。彼らはそれぞれ、今季のFRECAで所属したR-ace GP、ARTグランプリからの参戦となります。

 中でもトヨタ育成の中村は、インパクトを残す可能性を秘めた日本人ドライバーと言えます。その理由は第一に参戦チーム。R-ace GPは今年のFRECAでチームタイトルを獲得した強豪であり、昨年のマカオではウーゴ・ウゴチュクを擁して優勝。今年もデ・パロとデリニーを起用するなど、強力な布陣を敷いています。

 そして第二の理由は昨年の活躍。彼は予選で日本勢最上位の13番手につけると、メインレースではセーフティカー先導中に前のマシンと接触する不運でリタイアとなりましたが、それまではトップ10を狙えるレースを見せていました。

 一方リーは昨年のマカオではクラッシュにより早々にリタイアに終わりましたが、FRECAで2シーズンの経験を積みタトゥースのパッケージを熟知しており、今年はリバースグリッドのレースではあるものの中東選手権で優勝するなど成長も見せています。

 リーと同じくARTから参戦する加藤はホンダ育成ドライバーで、今季のFRECAでは日本人最上位のランキング7位という好成績を残し、FIA F3へのステップアップも発表されました。マカオでいきなりの優勝争いは少し高望みかもしれませんが、ルーキー勢の中で健闘する事が期待されます。チームメイトのリーとエヴァン・ジルテールは共にマカオ経験者であり、良い比較対象となるでしょう。

 また中村、リー、加藤とFRECAで競い合った山越は、FRECAで所属していたVARではなく、オーストラリアのエヴァンスGPへ移籍しての参戦となるため、その点はややハンデとなるかもしれません。一方でVARは日本人ドライバーの梅垣清を起用。ただ梅垣はタトゥース車でのレース経験がなく、VAR自体も久々のマカオであることを考えると、過度な期待はし過ぎずに見る必要があるでしょう。

 とはいえ、フォーミュラ・リージョナルの日本選手権でチャンピオンを争う梅垣と鈴木の対決は注目と言えます。そして中村の後を継いで来季FRECAにステップアップするのではないかと言われる佐野としては、トヨタ育成のライバルたちに勝ちたいところでしょう。

 また、日本人ドライバーの未来という点でも興味深いレースになると言えます。現在はレッドブルからF1に参戦する角田裕毅の去就や、岩佐歩夢、平川亮らのF1昇格の可能性に注目が集まっていますが、今週末のマカオは、次なる有望株を占う重要なヒントになるかもしれません。

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