日本のコスメの魅力を海外にも伝えたい
――コスメブランドの経営者、YouTuber、そして1児の母と大変お忙しそうですが、普段どのように活動されていますか。
この間、どうすればうまく両立できるのかずっと試行錯誤してきて、最近ようやく方向性が見えてきたところです。振り返ると、出産したのが2022年1月末。その2カ月後の3月にアイシャドウを発売。そして翌2023年の夏には店舗販売を開始と、さまざまな出来事が同時進行で重なってどんどん忙しくなっていきました。人材が足りないから募集をかけてチーム体制を構築しようとか、商品が売れたら売れたで今度は追加発注のリードタイムや支払いのことも考えないといけないとか、常に新しい課題に直面しつつ、手探りで経営を学んでいった感じです。
ブランドが想像以上のスピードで成長していく中で、昨年は、YouTubeの更新があまりできなくなってしまい、すごく苦しい時期もありました。Enamorがヒットしたのって、YouTube活動を続けて自分で発信力を高めてきたからでもあるのに、ブランド経営が忙しくてYouTubeがおろそかになるのは本末転倒というか、これじゃ全然意味がないなと。
そこで、それぞれの時間をちゃんと確保するため、今年の4月からタイムスケジュールの新たなルールを決めました。平日のうち、月火水は経営者として、社内ミーティングや取引先との商談の予定を集中的に入れる。木金はインフルエンサーとしてYouTubeやインスタの撮影をする。また、平日夜6時以降と土日は母親業のために使う。従来は色んな予定がごちゃごちゃに入っていたのが、明確に線引きしたことで、タスク管理の面も改善したと思います。
――「Enamor」の今後の夢や目標を教えてください。
今年から海外でも展開するようになり、改めて、日本のコスメやビューティをもっと盛り上げていきたいなと感じています。最近では、海外コスメの品質もすごく良いですし、勢いのある斬新なプロモーションにも驚かされます。それを強く感じるからこそ、日本コスメももっとできることがあるという気持ちです。香港でも「Enamor」の実用性が支持されているので、そういう日本ブランドならではの良さを積極的に伝えていければと。
今はメイクアップが中心ですが、「女性をきれいにして、気分を上げる」アイテムということなら、将来的にはスキンケアやヘアケア、ボディケアなどにも興味があります。想像以上に伸びしろがある会社。今はまだまだ序章という感じですが、経営者として会社の基盤をしっかり整えられれば、その先いつか、日本を代表するブランド会社になるというのは決して夢ではないと信じています。
