“見えない原因”に目を向けるだけで世界が違って見える

今回の研究により「見えない原因」に目を向ければ、人間の推論の誤りを減らせる可能性が示されました。
私たちはとかく明快な説明に飛びつき、「なるほど!」と言いたくなります。
だからこそ、一見筋が通った単純な答えがあると、他の可能性を深く考えずに受け入れてしまうのでしょう。
しかし本研究は、たとえ魅力的な単純解であっても、その影で見逃されている原因に目を配ることの大切さを教えてくれます。
実際、隠れた原因をあえて考慮するだけで、単純化しすぎによる誤りを減らせると示唆されています。
この知見は、病気の診断から社会問題の分析まで、幅広い場面で役立つ可能性があります。
例えば経済の変動や複雑な社会現象を理解する際にも、目につく単一の要因だけに注目していては本質を見誤るかもしれません。
複数の原因に目を向ける習慣は、誤った結論を避ける手助けとなるでしょう。
現実世界においては、現在手元にある説明だけで判断をする前に、「まだ見えていな状態にある」他の付随する情報や説明を自分でみつけることで、単純化された説明で「納得した」と感じてしまうことを防ぐことができます。
「まだ見えていない説明や原因に目を向ける」ことは、私たちの判断を単純化から救いより正確なものに導く最初の一歩なのかもしれません。
元論文
Inside Ockham’s razor: A mechanism driving preferences for simpler explanations
https://doi.org/10.3758/s13421-024-01604-w
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部

