ウイリアムズのカルロス・サインツJr.は、F1アゼルバイジャンGPで3位表彰台を手にし、自分の決断が正しかったことを示せたと喜んだ。
サインツJr.は昨年限りでフェラーリを離れ、今季からウイリアムズに加入した。その決断は、1990年代だったら誰もが”正解”と評価していただろう。しかし近年のウイリアムズは低迷し続けており、優勝争いはおろか、表彰台を獲得するのも数年に1度というくらいだ。
しかしそんな中でサインツJr.は、加入1年目で表彰台に登壇。ウイリアムズにとってこの表彰台は、2021年のベルギーGPでジョージ・ラッセルが手にして以来のものだ。
「鍵となったのは、フリー走行、予選決勝まで、完璧な週末を過ごせたことだと思う」
サインツJr.は今回の結果についてそう語った。
「シーズン序盤から目指してきたのは、完璧な週末を過ごすことだった。でもシーズンを通じて浮き沈みが激しく、良い時よりも悪い時の方がずっと多かった。不運だったこともあるし、僕自身の力やあるいは他の要因でうまくいかなかったこともあった。でも、最初からチームには、表彰台を争うチャンスが訪れた時には、何も問題を起こさず、自分たちがやっていることを皆に証明すれば大丈夫だと言ってきたんだ」
「今回は2番グリッドからスタートするというチャンスだった。おそらく昨日の段階で尋ねたら、多くの人が『表彰台を獲得できる』とは思っていなかったはずだ。でも今年はペースはあったけど、それを発揮する機会があまりなかっただけ……今日は良いペースを維持する絶好の機会があり、それで表彰台を手にすることができたんだ」
サインツJr.にとって今回の表彰台は、特別なものだという。
「1年前にウイリアムズに加わると決めた時、このプロジェクトを心から信じ、このチームが成長していくと確認した。だからこそこのチームに移籍すると宣言した。だから今回の結果は、特別な意味を持っている」
「仕事環境はとても快適で、周りのみんなともとてもうまくやっている」
「開幕戦から非常に競争力があり、非常に速かったと思う。しかし結果が伴わなかった。自分自身やチーム、そして皆に、これから良いことが起きるということを示すだけの結果を残せなかった。でもようやく、良い結果をもたらすことができた」
「人生には何度もこういうことがあるということを教えてくれた。不運が続いたり、パフォーマンスが悪かったりしても、一生懸命に努力を続けれえば、突然人生は報いてくれるんだ」
運命の悪戯か……サインツJr.からフェラーリのシートを奪ったルイス・ハミルトンは、F1スプリントでの優勝はあったが、決勝での表彰台はまだゼロである。これについて尋ねられたサインツJr.は、「人のことは気にしない」と語った。
「正直に言って、他の人が何をしようと、僕には関係ない。僕が気にしているのは、ウイリアムズで表彰台を獲得するチャンスを掴み、それをモノにしたということだ」
サインツJr.は今回以上の成績を今季中に手にするのは難しいとしながらも、ラスベガスGPでは何らかのチャンスがあるかもしれないと考えている。
「これ以上の結果は考えていない。何かとんでもないことが起きない限り、表彰台こそが最大のチャンスだと思う。そしてラスベガスが、次に好結果を狙うことができる……トップ5かトップ6を狙うことができるかもしれない。全てがうまくいけば、そういう結果になることもある」
「カタールでは入賞できるとは思えないし、その後のオースティンやメキシコでは、純粋な中団グループのマシンとしてポイント圏内に食い込み、ランキングを維持できる可能性もあるだろう」
「今後のレースで何が起きるか、とても楽しみだ」

