脳梗塞治療薬の状況はどうなっているのか
米国FDAに承認されている唯一の急性期脳梗塞治療薬が「t-PA」だ。
現状では、脳梗塞患者全体の10%未満にしか使用されていないとされており、かつ発症後から4.5時間以内に投与しなければ意味がない薬である。その上、脳出血のリスクもある。
ゆえに、急性期脳梗塞治療薬の効果が高く、リスクの低い新薬は待ち望まれてきた。
脳梗塞治療薬候補「TMS-007」とはなにか
蓮見惠司農学博士が発見し、開発を進めている「TMS-007」。8000もの微生物を片っ端から調べて、数十個まで絞り込むという、途方もない作業を敢行した。
その結果として見つけ出した黒カビ「スタキボトリス」が作る新規化合物群SMTPのメンバーが発見されたのだ。最初は培養液5Lで10ミリグラム程度しかとれなかったが、生産方法を見つけ出して、1Lで10グラムほど生産できるようになった。
「TMS-007」をマウス脳梗塞モデルを使って試験した結果、「t-PA」の治療有効時間である発症後4.5時間を超えて「TMS-007」は発症後12時間でも効果があることがわかった。
閉塞血管の再開通率の改善や、炎症を抑える効果も見られ、出血リスクも少ないことが判明している。
