『ミュージック・マガジン』のビートルズ特集

とはいいつつも、CD化を記念した『ミュージック・マガジン』のビートルズ特集は、毎回購入していた。それまで『ミュージック・マガジン』は古本でしか買ったことがなかったのだが、CD化が始まった直後に出た4月号(表紙がビートルズ)以降、CD発売のたびにビートルズ特集が掲載されるようになり、そこでの評論家やミュージシャンによる解説記事が目当てであった。収録曲1曲ごとの踏み込んだレビューは当時としては珍しく、CDを買わずともうなずける部分や新しい発見も多かった。この文を書くにあたって当時の雑誌を引っ張り出してみたら『ウィズ・ザ・ビートルズ』の解説を松本常男さんが書かれていて驚いた。
ちなみに、わたしが最初にビートルズのCDを購入したのは95年の『ビートルズ・アンソロジー』で、オリジナルアルバムに関しては09年のデジタル・リマスター盤まで待たねばならなかった。87年以降何度か新装されてはいたものの音源に関してはそのままだったこともあり、購入する気にはなれなかったのだ。この時期、CDに関してはSECRET TRAXというレーベルから出ていたブートが頼りだった。正規音源のステレオとモノ、ほかにアウトテイクや別ミックスも収録されていて、その手軽さゆえ、またジャケも秀逸だったことからほぼコンプリートで集めたくらい気に入っていた。
最後にハウンドドッグの武道館10デイズ公演について触れておきたい。80年に「嵐の金曜日」でデビューしたロックバンドが、地道なライブ活動のすえ、85年「ff(フォルティシモ)」がヒットしたことで人気が拡大。87年1月から2月にかけて、前代未聞の武道館10日連続公演が実現した。それまで日本武道館の連続公演記録はオフコースの7日間だったのだが、その数字をハウンドドッグが更新、わたしはその中の最終日の公演に参加した。
デビュー間もない頃の大友康平がパーソナリティを務めていたラジオ番組『明治製菓提供ザ・ビートルズ』を愛聴していた者としては、ハウンドドッグのブレイクはこの上なくうれしく、ひとりほくそえんでいたのだが、武道館公演が近づくといてもたってもいられなくなり、チケット入手に奔走した。たしか購入経由はチケットは雑誌『ぴあ』のはみだしぴあだったと思う。「チケット余ってます」という一文に反応し、公演日直前にやりとりしたにもかかわらず、座席は1階後方、バンドもよく見え、客の盛り上がりダイレクトに感じられるものであった。最新作『LOVE』を中心にしたライブは思いのほか素晴らしく、全力で熱唱する大友康平に胸を打たれた。しばらく興奮が冷めず、ハウンドドッグを追いかけるようになり、その後の西武球場や東京ドーム公演にも足を運ぶほどの熱の入れようであった。
