現地時間11月11日(日本時間12日)、ダラス・マーベリックスが、ゼネラルマネージャー(GM)兼バスケットボール運営部代表のニコ・ハリソンを解任したことを発表した。
チームは今後、ハリソンの後任を探す傍ら、当面の間はマイケル・フィンリーとマット・リカルディが共同GMを務めて強化に努めていくこととなる。
2021年6月末にGMへ就任したハリソンは、着任後すぐに球団OBで殿堂入りポイントガードのジェイソン・キッドを指揮官に招聘。ルカ・ドンチッチを中心とした布陣で2021-22シーズンにウエスタン・カンファレンス・ファイナル進出を果たす。
2022-23シーズン途中にはオールスターガードのカイリー・アービングをトレードで獲得。チームはプレーオフ出場を逃すも、ドンチッチとアービングが開幕から共演した翌23-24シーズンはウエストを勝ち上がり、球団史上3度目のファイナル進出と、着実にチーム力は増していた。
ところが2025年2月2日、ハリソンは3チーム間の超大型トレードで、フランチャイズの顔であったドンチッチをロサンゼルス・レイカーズへ放出。
リーグ有数のビッグマン、アンソニー・デイビスをロスターへ加えるも、SNSやメディア、さらには選手からも疑問の目を向けられ、ホームゲームではファンから“Fire Nico”(ニコを解任しろ)のチャントが鳴り響く事態となった。
迎えた今季はドラフト全体1位で獲得したクーパー・フラッグやディアンジェロ・ラッセルを加えるなど、充実の戦力で仕切り直しを図ったが、ホーム5連戦と恵まれたスケジュールのなか開幕2連敗に始まり6戦目から4連敗と低迷。11試合を終えてウエスタン・カンファレンス14位の3勝8敗(勝率27.3%)と機能せず、GM解任となった。
解任翌日の試合に向けた会見で、キッドHCはドンチッチ放出後に頻発した“Fire Nico”のチャント、そして現状について次のように語った。
「あれは少し敬意を欠く行為だったと思う。選手たちはハードにプレーし、勝利を目指しているのだから、フリースローを打つ時にあんなチャントをするのは失礼だ。でも、ファンの皆さんが気持ちを伝えようとしたんだと受け止めている。
ただ、我々は前へと進まなければいけない。ファンの皆さんにとっては(心に負った傷から)回復していく過程なのだと認識しているが、選手たちは懸命にプレーしている。あのトレード以降も、彼らは全力を尽くしてきた」 ハリソンGM解任の日、マブズは試合が組まれておらず、PJ・ワシントンは「みんなと同じように知ったんだ」と、Xで第一報を目にしたと明かした。そして、24年2月のトレードで自身を獲得してくれたGMに直接コンタクトをとったという。
「ニコが僕へしてくれたことには、もちろん感謝している。彼はこのグループを信じていたし、僕だって信じている。とにかく彼へメッセージを送って感謝を伝えてから、自分の仕事に戻りたかったんだ」
マブズは解任翌日のフェニックス・サンズ戦にも114-123で敗れ、これで3勝9敗(勝率25.0%)で借金は今季ワーストの6に。アービングは左ヒザの前十字靭帯断裂からの復帰過程で、頼みのデイビスはふくらはぎ負傷のため7戦連続で欠場中と戦列を離れている。
この試合ではフラッグが16得点、6リバウンド、6アシスト、3スティール、2ブロック、ダニエル・ギャフォードが15得点、9リバウンド、2ブロックと奮闘。また4試合前からベンチ降格となったクレイ・トンプソンが今季最多の19得点を記録したが、ホームのファンに勝利を届けることはできなかった。
デイビスとアービングの復帰がいつになるのか、そしてチームがこのまま現有戦力を維持して戦っていくのかは現状不透明と言わざるを得ない。
ハリソンGMの解任によって、マブズがドンチッチを中心に駆け抜けたひとつの時代に幕が下ろされた。今回の動きによって、ファンの心の傷が癒えるかはわからないが、キッドHCと選手たちがファンからの熱いサポートを必要としているのは確かだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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