【堺雅人が恋する中年男性を魅せる】
堺さん演じる主人公の青砥は初恋の人と再会してからの心の動きを丁寧に見せてくれます。離婚後、印刷会社の仲間とワイワイやりながらも少し寂しそうだったりする冒頭から一変。須藤と再会して飲みにいくようになってから、笑顔が増えてウキウキした感じになるところがいいんですよね〜。
また須藤と友だちから恋愛に発展していく過程もとても自然で、男女の関係が友情から恋愛へと変わっていく気持ちの変化、青砥の止められない情熱がスクリーンから感じられてドキドキしました。
青砥はやさしいな、いい男だな、としみじみ……。
【主題歌は星野源の書き下ろし!】
青砥と須藤の恋愛が、どのように発展していくのかは映画を見てのお楽しみですが、最後、もう胸がいっぱいになっちゃって……。そんな気持ちのままエンドールに流れる星野源さんの主題歌がまた良き。実は、土井監督と那須田プロデューサーが直接星野さんに会いに行き、主題歌の依頼をしたそうです。星野さんはこの曲についてこう語っています。
「最近、私は自身を焼き付けるような楽曲を書いてきましたが、この『いきどまり』は自身を歌ったものではなく、歌の中に物語があり、それが一人称で語られる楽曲です」(公式プレスより抜粋)
青砥と須藤を包み込むような歌で、映画の感動がメロディにのって体にしみこんでいくようでした。
恋愛って何歳になっても、ドキドキしたり、ハッピーになったり、恥ずかしくなったりするもんなんだなと。でも大人の恋愛は、恋より愛が強い。それは相手を思いやる心がより感じられるからかなと思いました。
ぜひぜひスクリーンで見て、大人の恋愛にしみじみ感動していただきたいです!
執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:©2025映画「平場の月」製作委員会
『平場の月』
2025年11月14日(金)より全国ロードショー
監督:土井裕泰
原作:朝倉かすみ「平場の月」(光文社文庫)
出演:堺雅人 井川遥
坂元愛登 一色香澄
中村ゆり でんでん 安藤玉恵 椿 奴 栁俊太郎 倉悠貴
吉瀬美智子 宇野祥平 吉岡睦雄 黒田大輔 松岡依都美 前野朋哉
成田凌 塩見三省 大森南朋
脚本:向井康介
主題歌:星野源「いきどまり」(スピードスターレコーズ)

