マクラーレンのオスカー・ピアストリは、予選と決勝でクラッシュを喫したアゼルバイジャンGPが「レース人生で最悪の週末だった」と語り、その前のイタリアGPでのチームオーダーが頭から離れていなかったと明かした。
アゼルバイジャンGPでは、ピアストリはフリー走行中に信頼性の問題に見舞われて走行時間を失い、予選でも痛恨のクラッシュを喫して9番グリッドからのスタートとなった。さらに決勝ではスタート失敗で後方に沈むと、焦りもあったのか、無理に追い上げようとする中でマシンのコントロールを失い、オープニングラップを終えることなくクラッシュしてしまった。
ピアストリはその後もチームメイトのランド・ノリスと比べてペースに苦しみ、チームメイトのランド・ノリスにポイントリーダーの座を奪われてしまった。
F1の『ビヨンド・ザ・グリッド』ポッドキャストに出演したピアストリは、アゼルバイジャンGPで何が悪かったのかと聞かれると、イタリアGPでの出来事がまだ頭から離れていなかったと示唆した。
イタリアGPでは、ピットストップ作業の遅れにより首位を走っていたノリスがピアストリの後ろでコースに復帰。そのためチームはピアストリにノリスとのポジション入れ替えを要求した。これは本来ノリスにピットストップの優先権があったところ、後ろから迫るシャルル・ルクレール(フェラーリ)からポジションを守るため、先にピアストリをピットに入れた後の出来事だった。
しかしピアストリは、ピットストップの失敗もチームオーダーでカバーされるべきだったのか疑問を呈し、レース後に彼の懸念に対処するための話し合いが行なわれた。
アゼルバイジャンGPから2ヵ月ほどが経っているが、ピアストリは”キャリア最悪の週末”を直接的に責めるのではなく、不安定なパフォーマンスの裏には、失敗を挽回しようとオーバードライブをしていたことなど、他の要因もあったと指摘した。
「結局のところ、色々な要素が重なった結果だ」とピアストリはポッドキャストで語った。
「言うまでもなく、その前のレースはモンツァだったが、自分のパフォーマンスからすると特に素晴らしい週末だったとは思えなかったし、ピットストップで起きたこともあった」
「しかし、バクーでも金曜日は厳しかった。何もかもがうまくいかず、オーバードライブしてしまい、自分の運転に満足していなかった。結局、土曜日にそれを少しでも取り戻そうとしていたんだと思う」
「レースまでに、特に助けにならなかったようなことがいくつかあった。そして週末には、色々なことが起こった。FP1でエンジントラブルが発生して少し不安定になり、それから僕のドライビングもあまり良くなかった。その週末はC6タイヤを履いていたけど、これは扱いが難しいことで有名だ。小さな問題がいくつも積み重なって、最終的には大きな問題になってしまった」
「結局のところ、バクーは様々な要因が重なった最悪の週末だった。もちろん、かなりひどい週末だったが、技術的な面でも、感情的な面でも、あの週末から多くのことを学んだと思う……」
「遠回しに言うつもりはない。あれは僕のレース人生で最悪の週末だった。でもある意味、最も有益な週末だったかもしれない。こういうことを振り返ると、たいていの場合、かなり助けになるんだ」
「キャリアの中で、かなりショッキングな週末や、ほとんど信じられないような週末やレース、物事がうまくいかなかった瞬間を経験した選手たちを見れば、それは誰にでも起こり得ることだ」
「レースの世界では、週末がうまくいかなかったという悲惨な経験をしたことがない人はいないだろう。そういう視点で物事を見ることは確かに役に立つ。そういう週末から学ぶべきことを学ぶ必要があるんだ」
ピアストリはイタリアGPを最後に表彰台から遠ざかり、ランキングもノリスに逆転を許し、24ポイント差をつけられている。ピアストリにとって、イタリアGPでのチームオーダーは単なるポジション入れ替え以上の、そしてチームが考えていた以上の影響があったのかもしれない……。

