昼間に味わう三方五湖の魅力「ネイチャークルーズ」

三方五湖をゆったり巡る「ネイチャークルーズ」は、昼間の景色をじっくり楽しめる通年の遊覧体験です。久々子湖を出発し、約360年前に水害対策として開削された歴史ある「浦見川」を通り、水月湖や菅湖へと進む50分のコースになっています。湖と山々が重なり合う雄大な風景は、季節によって表情を変え、訪れるたびに違った魅力を見せてくれます。
船は電池推進方式のため、エンジン音がほとんどありません。水鳥の姿や水面のゆらぎを邪魔することなく眺められ、自然の中にそのまま身を置いているような感覚になります。音が静かな環境は、観察を目的とした方にも心地よく、自然との距離が近く感じられるひとときです。

運航は1日に複数便あり、9時台から15時台まで幅広い時間帯に設定されています。料金は大人1,980円、小学生990円と利用しやすく、家族連れや観光で立ち寄る方にも楽しみやすい内容です。船ごとに特徴も異なり、水鳥にちなんだ名前を持つ「クート」や「グリーブ」が湖を静かに進む姿にも親しみを感じます。
自然の美しさと静かな船旅が重なることで、三方五湖の魅力をより深く味わえる時間が広がります。夜の星空クルーズとはまた違った表情を見せてくれるのが、このネイチャークルーズの魅力です。
地域の魅力を丁寧に伝える美浜町レイクセンターの取り組み

三方五湖を訪れる人に、自然と向き合う時間を届けているのが「美浜町レイクセンター」です。2023年に開業した施設で、クルーズ運航を中心に地域の自然や景観を生かした体験づくりに取り組んでいます。静かな遊覧船の運航やイベント企画などを通じて、美浜町ならではの魅力をさまざまな形で発信しています。
レイクセンターでは、季節ごとに多彩なクルーズイベントを行っており、星空観賞や野鳥観察、夏の自然体験など幅広い企画が展開されています。今回の星空クルーズのように、自然の条件を生かした内容が多く、訪れるタイミングによってまったく異なる表情が楽しめるのも特徴です。
遊覧船の航行には、環境への負担を抑える電池推進方式が採用されています。地域の自然を大切にする姿勢は運航方法にも表れており、三方五湖の豊かな生態系を守りながら観光を進める取り組みが印象的です。静けさを保ったまま湖を進む船は、ここでしか体験できない時間をつくり出しています。
美浜町レイクセンターの活動は、単なる観光施設にとどまらず、地域そのものの魅力を次の世代へつなぐ架け橋のように感じられます。自然と向き合いながら、その良さを丁寧に伝えていく取り組みが、ここから日々広がっています。
