JRAのリーディング・トレーナー争いは11月14日現在、杉山晴紀調教師が50勝でトップ。2位の斉藤崇史調教師とは5勝の差がある。2023年に次いで、2度目のリーディング獲得が見えてきた。まだ開催が1カ月余り残っているので断言は避けるが、管理馬の質の高さからして、このまま逃げ切る公算大ではなかろうか。
杉山師の名を知らしめたのはなんといっても、2020年に史上初となる無敗での3冠牝馬となったデアリングタクトだ。この馬の活躍により、その年のリーディング7位となった。杉山師いわく、
「これからの時期に出てくれて、いいことも苦しかったことも経験させてもらった」
その貴重な経験が、トップをいく現在の成績の大きな源になっていることは間違いなかろう。モットーは「こういう馬づくりをしたい」という信念を、厩舎全体でひとつにしていくこと。それを上手に推し進めているようだ。
今年の重賞勝ちはエリカエクスプレスのフェアリーS(GⅢ)、サトノシャイニングのきさらぎ賞(GⅢ)、ガイアフォースの富士S(GⅡ)の3つ。そのうちエリカエクスプレスは今週のエリザベス女王杯(GⅠ、京都・芝2200メートル)に、ガイアフォースは翌週のマイルCS(GⅠ、京都・芝1600メートル)に出走予定だ。
そのエリザベス女王杯には前走カシオペアSを勝ったオーロラエックスも出走させる。連勝中の上がり馬で、とにかく末脚が切れるのが魅力的だ。体質面が強化されてきており、期待は大きい。僚馬エリカエクスプレスがすんなり逃げることができれば秋華賞(2着)の再現があるかもしれないが、ペースが速くなった時はオーロラエックスの出番だろう。デビューから一貫して松山弘平が騎乗しているのも心強い。
なお、今週は他に4頭の馬を出走させる。そのうち京都の土曜4R・2歳未勝利のクランズクラウンと、同じく京都の日曜9R・黄菊賞のダークマルスは人気上位馬だ。
クランズクラウンは桜花賞馬ステレンボッシュの半妹で、牧場にいる頃から評判になっていた。9月の新馬戦は504キロの巨体を持て余す走りで5着に終わったが、使って走りがシャープになってきた。一変を期待したい。
ダークマルスは重の新馬戦を、直線で二枚腰を使って逃げ切った。勝負根性はなかなかのものだ。父が2歳リーディングサイアーを独走中のエピファネイアで、血統も魅力的。ここを勝って、クラシック戦線を歩みたいところだろう。
では、グッドラック!
(兜志郎/競馬ライター)

