取り締まり強化で歌舞伎町から東南アジアへ…性搾取の新たな舞台
同公園周辺は、最盛期には100人以上の立ちんぼが並んでいた。
現在は、連日のパトカー周回と定期的な一斉摘発により、立ちんぼは公園東側のラブホテル街に散らばった。また、突撃系ユーチューバーが立ちんぼと交渉する男性客の顔をさらすこともあり、日本人客は減っていた。
「客待ち女性によると、客の7割がインバウンドの外国人観光客となっているそうです。外国人はカネをケチらない。日本人客は1万5000円のところ、外国人客はチップ込みという意識で2万、3万円払うとのことです。
そうなると、次は海外で働こうという気持ちになります。中国系仲介者が『タイで遊んで、ちょっと働いて、1カ月で100万円』と勧誘し、実際はカンボジアやミャンマーに連れて行かれる事案が散見するようになりました」(歌舞伎町事情通)近年、カンボジアやミャンマーでは、中国系特殊詐欺グループが“特殊詐欺タウン”を築き上げ、世界的な問題になっている。
SNSや直接勧誘で誘い出された数千人から数万人が監禁され、国際詐欺の実行役を強要されているのだ。特殊詐欺タウンには、中国人、インド人、インドネシア人、日本人など30以上の国から実行役が集められ、それぞれの国の人をターゲットに特殊詐欺を行っている。
「監禁された人たちは、詐欺技術を叩き込まれ、出身国の相手にオンライン詐欺などをやらせられます。
詐欺タウン同士で実行役の売買も行っており、新人は数十万円、有能な人は1000万円近くの値が付く。逃げられない過酷な労働環境の下、娯楽は充実している。
詐欺タウン内にはレストラン、カジノ、風俗まであります。ただ、どんなに稼いでも詐欺タウン内で使わされるだけ。そこで詐欺タウン側は風俗を充実すべく、日本人の立ちんぼや風俗嬢を雇うわけです。
日本人女性は他国に比べ、おとなしいし、性サービスも丁寧だからです」(消息筋M)ガールズバー、立ちんぼ、児童労働、海外詐欺タウン──一見別々に見える事件の根底には、貧困と搾取の構造が共通している。社会的弱者が「逃げ場のない現実」に追い込まれる構図は、決して他人事ではない。
「週刊実話」11月27日号より
