「拍手笑いを起こすにはどうすればいいか…」
伊藤 福田はこう言ってますけど、僕自体はそんなに変わってないです。福田の変化も、正直、あんまりわかってないというか。みんなが言うから、そうなんでしょうと思っているくらい。この前、東野(幸治)さんにも「相方、やる気になったらしいな」って言われて。
キクチ そういう評判って大事だからね。あと、二十数年続けてもまだ世に出てない芸人は、生き延びるためにいろんなことをやるじゃないですか。僕なんか最たるもので、トリオを解散して生き残るために、司会者芸人という誰も踏み入れてない道を歩き始めてるんですけど。
福田 そんなことはないです。
キクチ まわりが道をいろいろと広げているなか、LLRはなんだかんだでずっと漫才をやっていて、それ以外のことをほぼやってないのは、カッコいいと思っています。意外といないじゃないですか、そういう芸人って。
福田 たしかに。NSC(吉本総合芸能学院)東京の7期生なんですけど、僕らより先輩で漫才をやられてる方って数えるくらいしかいない。たとえば、2人で起業したとしても、20年以上続けるって大変だろうから、難しいことなんでしょうね。
キクチ そうかもしれない。若手のころに人気もあって、仕事もあって、ネタも評価されていた芸人が、いまことごとくネタをやってないからね。そういうなかで、LLRは漫才だけブレずにやってるから、あの辺の世代の思いを背負わせたいなと思ってます。
『THE SECOND』で言うと、1年目は選考会を勝ち上がれなかったけど、2年目にベスト32に入って。3年目はダメだったけど、(欠場に備えた)謎のリザーバーシステムで33位といういちばん惜しい順位だったこともわかってしまってね? 来年はどういう傾向になるのか。
伊藤 それ、大事ですよね。

福田 僕は“ない要素”を考えたほうがいいんじゃないかなと思っているんです。僕ら、拍手笑いが苦手なんです。で、いま喫茶店でずっと考えてるんですけど。
キクチ 考えてるのはそれなんだ(笑)。
福田 はい。僕ら、家に帰って思い出してクスッとするコンビで、拍手笑いを起こすタイプじゃないんです。そんな僕らが拍手笑いを起こすには、どうすればいいのか。僕らの場合は拍手でいいと思うんですけど。
キクチ まずは拍手だと。
福田 はい。無理して入れようとしてるわけではないですけど、そういう要素を1、2カ所くらい作れたらいいなと思ってます。選考会では盛り上がりも必要ですからね。
伊藤 たしかに、僕らは笑いの積み重ねみたいなのは少ないかもね。
福田 そこ、また喫茶店で考えます! ここから先は『THE SECOND』に向けてネタをまとめていく作業に入りますけど、内容で大事なのは50%くらいで、あとはどれだけ(漫才が)体に染みついて、どれだけ観ている人に伝えられる気持ちがあるかだと思っています。僕は、いままでの人生でギャンブルをいっぱいやってきたんですけど、ビビッと来る瞬間があるんですよね。いま、それを『THE SECOND』で感じていて、いい運が来そうな気がしてます。頑張ります!