マクラーレンのオスカー・ピアストリは、リタイアで終えたF1アゼルバイジャンGPを振り返ると「最初から最後までミスが多すぎた」と語った。
ランキング首位のピアストリだが、バクー市街地コースで行なわれたアゼルバイジャンGPは彼にとって厳しいものになった。スタート時に出遅れると、ターン6で曲がりきれずにウォールの餌食となり、レースをろくに戦うことなく終えたのだ。
もっとも、決勝レース以前からアゼルバイジャンGPはピアストリにとって苦しいモノになっていた。FP1ではパワーユニットトラブルに見舞われ、FP2ではウォールに接触してしまう場面があり、タイムも12番手……FP3では3番手タイムまで挽回したが、度々マシンをスライドさせており、順風満帆とはなっていなかった。
予選でもそうした状況は続いた。Q3まで進んだピアストリだったが、クラッシュして9番手に終わったのだ。
そこからさらに前述のように、決勝レースでもいいトコなしとなったピアストリ。34レース連続のポイント獲得記録も途絶えることになったが、このレースウィークを振り返ると、ピアストリは次のように語った。
「何か特別に違うことがあったわけではない。人によっては、もし自分がまったく違う精神状態にあったと言えるなら、それを理由にできるし、修正すべき問題だと説明できるだろう」と、ピアストリは言う。
「でも今週末はいつもと同じに感じていた。ただ最初から最後までミスが多すぎた」
「どのセッションもとっ散らかっていたんだ。だからそれをとにかく整理していくことが、この先に向けて重要になってくる」
アゼルバイジャンGPは散々な結果となったピアストリ。レース前には31ポイント差だったランキング2番手のランド・ノリス(チームメイト)に25ポイント差まで接近を許すこととなった。
しかしピアストリは不調なレースを経験しても、慌てる様子はない。シーズン残り7戦を前に、こうした週末は忘れ、次に集中すると話した。
「もちろんこういう週末の後に気分が良いわけはない。でも結局のところ、ペース自体は良かったと思うし、自分がこれほど多くのミスをするのは珍しいことだと思う」
「だから過去のものとして忘れることに集中するよ。もしこうしたミスがタイムを稼ごうと無理をした結果なら心配だけど、そうじゃないんだ。代償は大きかったけれど、非常に簡単に修正できるものだから、忘れるべきだと思う」
アゼルバイジャンGPではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが勝利した。その結果、ランキング首位との差は69ポイント差まで接近。イタリア、アゼルバイジャンと連勝したレッドブルが大きく巻き返している点を考えると、タイトル争いでも完全に脱落したわけではないとピアストリも考えているようだ。
「彼のことを(候補から)除外するつもりはない」と、ピアストリは言う。
「でも正直に言うと、あまり心配はしていない。僕は今週末の失敗から立ち上がって、できる限り最高のパフォーマンスを発揮することだけ考えている」
「自分にできると分かっているレベルに戻れれば、大丈夫なはずだ。だからそこに全力を注いでいくよ」

