きっかけは、セブンイレブンで「もちもちリング」なるドーナツを見かけたことだった。名前も、形状も、ミスタードーナツの「ポン・デ・リング」にかなり似ている。「ポン・デ・リング」のフォロワー的な商品なのだろう。
その時ふと、「世の中には他にもポン・デ・リングっぽいものが存在するのだろうか」と思い、筆者なりに探してみた結果、やや短めの芋づる式に2点ほど見つかった。つまり「ポン・デ・リング」と「ポン・デ・リングっぽいもの」を合わせると計4点になる。
こうなってくると、この4点を食べ比べて「真のポン・デ・リング」を決めたい気持ちに駆られる。いや、「真のポン・デ・リング」は間違いなく「ポン・デ・リング」なのだが、しかしいざ比べてみれば「フォロワーが本家を食う」ような波乱も起きるやもしれない。
そういうわけで、筆者は本家ミスタードーナツ、前述のセブンイレブン、加えて新たに見つかった100円ローソン、およびヤマザキの商品を並べ、まことに勝手ながら王位争奪戦を催すことにした。
あらかじめ書いておくと、今回「ポン・デ・リング」と「ポン・デ・リングっぽいもの」たちを比較するにあたり、価格や大きさ、フレーバーの違いはあまり考慮せず、生地そのものを主な評価軸としたい。「ポン・デ・リング」同士の戦いと言えば、やはり武器は生地に限る。
・セブンイレブン
そしてその戦いの一番槍は、まずきっかけとなったセブンの商品に飾ってもらうことにする。正式名称は「もちもちリング シュガー」。ちなみに価格は税込138円だ。
食べてみると、ふっくらとした見た目に反する、豊かな弾力に驚かされた。歯を押し返すような食感である。しかし硬いわけでは決してなく、柔らかさを残しつつ張り詰めているという感じで歯切れも良い。噛んでいて非常に楽しい。夢中になって食べ進めてしまう。
まさに開幕から「ポン・デ・リング王決定戦」に弾みをつけるクオリティである。「フォロワー」に対して高をくくっていたようなことは全くないが、それにしても想像以上の満足度だ。
・100円ローソン
後続の商品にも期待がかかる中、次に登場するのは100円ローソンの「モッチリング シュガー」である。お気付きの方もいるかもしれないが、この神聖な戦いにおいては、各社がネーミングの「衝突事故」に細心の注意を払うさまも見物である。ちなみに価格は税込113円だ。
生地の出来栄えに関しては、こちらはセブンの商品とはうって変わって、歯が沈み込むような食感である。しっとりと柔らかい。重厚にさえ感じる。それでいて口に重く残るわけでもなく、不思議と飽きは来ない。何度も噛み締め、沈み込み、引き込まれる。
同じ「ポン・デ・リングっぽいもの」であっても、これほど食べ心地が異なるものかと思わされる。戦いの模様はにわかに混沌としてきた。
