『DRADITION 2025 DRAGON EXPO 1995〜無我〜』後楽園ホール(2025年11月14日)
○永田裕志vs長井満也×
永田が秘策・リバースナガタロックIIIで長井との57歳対決を制した。敗れた長井は永田とのタッグ結成を熱望した。
18年ぶりに行われる無我の大会に新日本から永田が参戦。長井が迎え撃った。ともに1968年生まれの2人は長井が全日本に所属していた2001年に初対決。アジアタッグ王座を懸けて対戦経験もある。その後、長井が2003年に魔界倶楽部に加入して新日本に参戦すると、永田と再び激闘を展開。ドラディションマットでも時に戦い、時にタッグを組んできたが、今宵は意外にも初めてとなる一騎打ちで火花を散らすことになった。
最近はYouTubeで対談したばかりの2人だったが、試合となれば話は別。長井はのっけからビンタをぶち込むと、喧嘩腰の打撃戦を仕掛けていく。後手に回った永田だったが、負けじと得意の蹴りでやり返すと、場外戦では容赦なく観客席にぶん投げた。長井も「西」と刻まれた鉄板に叩きつけて報復。両者は感情的にやり合う。
長井は無我の試合だろうと気にせず、ラフファイトで永田を暴行。クロスヒールホールドで絞めに絞める。なんとかロープに逃れたものの、永田は左足にダメージを負った。ここぞとばかりに長井は足攻めを継続する。しかし、闘志が消えない永田は鬼の形相でミドルキックを連打。その後も蹴り技で攻勢を続ける。長井も負けじとニールキックを返して、両者大の字に。
先に仕掛けた長井は、ハイパーニー空牙こそ不発に終わったものの、キャプチュードをズバリ。ストレッチプラムでギブアップを迫る。一歩も引かない永田はエクスプロイダーで巻き返すと、エルボー合戦で火花。スリーパーは切り返されたものの、ナガタロックIIに絡め取ると、そこからナガタロックIIIに移行してから巧みに押さえ込み、長井から3カウントを奪った。
永田が秘策のリバースナガタロックIIIで勝利。試合後、両者は抱擁を交わした。「今日は18年ぶりですか。無我復活ということを意識して、ベーシックなレスリングを前面に出して戦おうと思っていたんですけど、いきなりビンタを食らいましたよ、長井満也に。あれで通常の永田に戻れたかなと」と試合を振り返った永田。「最後は無我興行ということで、いろいろ考えたんですけど、リバースナガタロックIIIということで。新しい技と言えば技なんですけど、無我らしい技を思いついて、今日準備してたんで。荒れた試合にはなりましたけど、それを最後に出せて、それで勝ててよかったなと思いました」と秘策に手応えを示した。
一方、長井は敗れたものの、「永田選手も57で、僕も57なんで、同い年ですか。それがまだまだ頑張ってるのを見ると、俺ももうちょっと頑張んないといけないなと思いますね」と刺激を受けた様子。「永田選手とシングルやると思ってなかったんで。シングルでやったし、タッグでも当たってるんで、もう今度ぐらいは一回は永田選手とタッグ組んでみたいですね」と熱望。「それもプロレスを長く続けてればあるかなと思うんで、もうちょっと頑張ります」と力を込め、永田もタッグ結成に前向きだった。
【試合後の永田】
――試合を振り返ると?
▼永田「今日は18年ぶりですか。無我復活ということを意識して、ベーシックなレスリングを前面に出して戦おうと思っていたんですけど、いきなりビンタを食らいましたよ、長井満也に。あれで通常の永田に戻れたかなと。そういうのがありました。長井さんは僕と同い年で、今年は不思議と5月にドラディションで長井さんと会って、長井さんはYouTubeを始めたんで、『いつかコラボしてください』と言って、早々に1ヵ月後にコラボさせていただいて。その縁かどうかわからないですけど、長井さんとシングル。しかも今日初めてですから、長井さんとシングルやったのは。ずっと無我を中心に戦っている長井さんだったら、正統派の無我のレスリングというか、ベーシックなレスリングで来るかと思いきや、そこはかつての魔界倶楽部の経験を織り交ぜながら、長井さん流でしたね。そうすることで、変に自分が冷静にならずにカッカするところはカッカして、やっぱり戦えてよかったなと思います。クロスヒールホールドは効きましたね。足首がやばかったです。必死に踏ん張りましたけど、大変でした。きつい技でした。でも、最後は勝つことができてよかったです」
――次はタッグを組みたいと長井選手は言っていたが?
▼永田「それはそれで面白いかもしれないですね。長井さんは確か90年か91年にプロレス界に入って。格闘技に一瞬行きましたけど、2000年になってプロレスに戻って、25年やって、プロレスをしっかり学ばれて。新日本では何度かタッグで戦いましたけどね。でも、今までシングルで戦ったことなかったけど、今日はシングルで戦いましたんで。次は組むという選択肢はなかなか今までは…。たまにどっかであったかもしれないけど、本格的に組むのはありかなと思いましたね。長いことやって、こうやって初対決ができたのは、僕的には嬉しかったし。まあ、プロレスに入ったら、いつの間にか格闘技のほうに行かれて。でも、ほんの一瞬というか、長井さんの経験でクロスヒールですか。あれが強烈でした。ヤバかったです。長井さんにプロレスだけじゃなくて、格闘技のほうに行かれた、そのクロスヒールホールドを受けて、その技を使っている長井さんを見て。それを受けたことで、なんか格闘技として学んできた片鱗を思いっきり見せられたなと思いました。ただ、無我興行、超満員のお客さんの中で、お客様を盛り上げて、勝つことができたのはよかったです。最後は無我興行ということで、いろいろ考えたんですけど、リバースナガタロックIIIということで。新しい技と言えば技なんですけど、無我らしい技を思いついて、今日準備してたんで。荒れた試合にはなりましたけど、それを最後に出せて、それで勝ててよかったなと思いました」
【試合後の長井】
▼長井「言葉も出ないんで質問ください」
――永田選手と対戦した気持ちは?
▼長井「僕が全日本プロレスに所属する前か。初めて当たった時から、ああ、この人巧いなって。こういう人はきっと新日本で時代を作るんだな。そう思ってたんですけど、やっぱりそのあとミスターIWGPになって。時代を作っただけの人はありますね。永田選手も57で、僕も57なんで、同い年ですか。それがまだまだ頑張ってるのを見ると、俺ももうちょっと頑張んないといけないなと思いますね。それと永田選手とシングルやると思ってなかったんで。シングルでやったし、タッグでも当たってるんで、もう今度ぐらいは一回は永田選手とタッグ組んでみたいですね。それもプロレスを長く続けてればあるかなと思うんで、もうちょっと頑張ります」

