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紙のぬくもり、デジタルの便利さ 昭和と令和をつなぐ記憶

紙のぬくもり、デジタルの便利さ 昭和と令和をつなぐ記憶

●印刷技術の導入と普及


 紙文化の発展に欠かせないのが、印刷技術の登場でした。日本最古の印刷物とされる「百万塔陀羅尼」は、奈良時代の木版印刷によって作られたもの。仏教の教えを広く伝えるために、当時の人々がどれほどの労力をかけたかを思うと、胸が熱くなります。
 江戸時代に入ると、木版印刷は庶民の文化にも浸透していきました。浮世絵や草双紙、瓦版などが次々に生まれ、紙が“娯楽”の道具にもなったんです。
 寺子屋の普及で読み書きが広まりましたね。昭和でも「読み書きそろばん」という言葉が当たり前に使われていました。紙は教育の基盤でもあり、人々の学びを支える存在でした。
 明治時代では、西洋の活版印刷が日本にも導入されます。新聞や雑誌の発行が活発になり、情報が一気に社会の隅々まで届くようになりました。紙が、時代の知識や思想を運ぶ“メディア”になった瞬間です。
 そんな印刷の歴史の中で、私にとって一番印象に残っているのは「ガリ版印刷」ですね。小学校の頃、学級新聞やプリントを作るときに、鉄筆で専用紙をガリガリ削っていたあの音。印刷の時に漂う独特のインクの匂い。一枚一枚、手で印刷していた記憶は今でも鮮やかに覚えています。
 ガリ版印刷機の原型はエジソンが発明した「ミメオグラフ」。それを日本で改良し、堀井新治郎さん父子が「謄写版」として発明したそうです。大正時代には多色刷りも研究され、宮沢賢治もこの技術に関わっていたとか。あの時代の人々の創意工夫が、いまの私たちの印刷文化につながっているんですね。

●複写機とデジタル化の時代


 20世紀に入ると、紙文化は新しいステージへ進みます。特に“複写機”の登場は、紙の使い方を大きく変えました。1950年代、アメリカのゼロックスが開発した乾式複写技術が日本にも伝わり、あっという間に広まりました。
 ガリ版は姿を消し、オフィスや学校、役所などで複写機が当たり前のように使われるようになります。日本企業も負けていません。リコーさん、富士ゼロックス(現・富士フイルムビジネスイノベーション)さん、キヤノンさんなど、どの会社も世界市場で高い評価を受ける製品を生み出しました。紙をコピーすることで、情報の共有が一気に加速。効率が上がり、ビジネスのスピードも格段に変わりましたね。
 今ではPCやスマートフォンでPDFを共有するのが当たり前ですが、その原点はここにあったのだと思います。PCとプリンターが普及すると、誰でも自分で文書を作って印刷できる時代になりました。紙は“記録するもの”から“伝えるための出力手段”へと役割を変えて来たと思います。
配信元: BCN+R

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