●紙と記憶、そして感性
「紙に書くと、記憶に残る」とよく言われますよね。実際、手書きのメモは脳を刺激して理解を深めるという研究結果もあるようです。ペン先が紙を走る感覚、インクが染みていく音。それだけで、頭の中が整理される気がします。私もミーティングのときは、万年筆でメモを取るようにしています。
デジタルメモの方が共有したり使い道は広がったり、と分かっていても手で書くと不思議と記憶が残るんです。文字だけでなく、聞いたことを図にしたり矢印を入れたりするだけでいろんな情報がその一枚の紙に入ってきます。ただ、書き間違えたり、漢字が出てこなかったりして少し落ち込みますけどね(笑)。
でも、紙の質感や匂い、ページをめくる音には、デジタルにはない“ぬくもり”があります。それはきっと、紙が時間とともに少しずつ変化していく素材だから。人と同じように、紙にも「歳月」が刻まれていくんですよね。
●紙文化の現在とこれから
紙の世界で一番変わったのは、やっぱり“本”だと思います。私はアニメが好きで、コミックをよく読むのですが、昔は単行本を本棚にずらっと並べていたのが、今ではiPadで読むのが当たり前になりました。ただ、紙のページをめくるときの指先の感触や、インクの匂いは、電子書籍では味わえないものがあります。
新聞や雑誌も、速報はデジタル、詳細は新聞や、週刊誌を紙で購入して読むという使い分けが定着しました。スピードと深み、それぞれの良さがあるんですよね。紙が電子化されても、メディアそのものがなくなることはないと思います。
確かに電子契約やクラウドの普及で、紙の使用量は減っています。でも、日本ではいまも紙への信頼が根強く残っています。契約書や学校の教材など、“実物”がある安心感は、デジタルではまだ完全に置き換えられないのだと思います。
その一方で、環境問題との関わりも無視できません。森林資源を守りながら、リサイクル技術を高めていくことが、これからの紙文化には欠かせません。伝統的な和紙づくりも、エコの観点から世界で再評価されているそうです。
日本の紙文化は、1000年以上に渡って人々の暮らしと心に寄り添ってきました。和紙の美しさ、印刷技術の発展、複写機による効率化、そしてデジタルとの融合。そのどれもが、時代を超えて受け継がれてきた“日本の手仕事の精神”を体現しています。
これからも紙は、単なる物質ではなく、人の思いや文化、そして技術をつなぐ架け橋として、静かに、でも確かに進化し続けるのだと思います。これからも紙とデジタルの両方に触れていきたいと思います。ぜひ、皆さんもその魅力を感じてみてください。
かたじけない。(崖っぷちのドミノ)
■Profile
崖っぷちのドミノ
1960年3月生まれ。現在64歳で会社員人生はあとわずかの管理職です。部下の多くは女子で娘が大勢いる感じ。中学、高校とブラスバンドでパーカッション担当。その時代の当たり前の流れで同級生とバンド結成し、大学、社会人1年生ぐらいまで活動したドラマー。就職は独立系ソフト会社に入社。その後、気づいたら汎用機の開発技術者を13年間経験、その後、今の会社に入社。

