2025年、annaが注目するのは、自分の“夢”にまっすぐな学生アスリートたち。
第5弾は、立命館大学女子陸上競技部で競歩と駅伝の“二刀流”に挑む柳井綾音(やない あやね)さん。
小学生のころにテレビで見た「全日本大学女子駅伝」。
その画面の向こうで力強く走っていたのが、立命館大学の選手たちでした。
「いつか、あのエンジのユニフォームを着て走りたい」。その憧れが、柳井綾音さんの原点です。
高校1年生で競歩に出会い、3年生のときに全国インターハイ5000m競歩で優勝。大学ではU20世界選手権で銅メダルを獲得し、日本代表として世界の舞台を経験しました。現在も学生記録を持つトップウォーカーとして国内外で活躍しています。
競歩をメイン種目にしながら、大学1年生では全日本大学女子駅伝と富士山女子駅伝の両方にも出場。チームを支えてきた“二刀流”のアスリートは、いよいよラストイヤーを迎えます。「憧れのユニフォームで、もう一度チームの一員として走りたい」という思いを胸に、最後の冬に挑みます。
今回は、柳井さんへ競歩への想いとこれからの夢についてお聞きしました。
( Index )
- 世界で戦うために、歩き続ける
- 「迷ったら、やる」挑戦がくれる力
- 甘いものと“推し”がくれる笑顔
柳井綾音(やないあやね)
立命館大学食マネジメント学部4回生。福岡県出身。主な競技は競歩。高校1年の夏に競歩に出会い、高校3年で全国インターハイ優勝。大学1年時にはU20世界選手権で銅メダルを獲得し、以降、学生競歩界をけん引。ブダペスト世界陸上(20km競歩)やパリオリンピック(男女混合競歩リレー)などの国際大会にも出場。大学1年では全日本大学女子駅伝・富士山女子駅伝の両方に出場し、“競歩と駅伝の二刀流”としてチームを支えてきた。甘いものと古着屋巡りが好きで、オフの日は一人で大阪のカフェや古着屋巡りをするのがリフレッシュ法。
世界で戦うために、歩き続ける
改めて、競歩という競技の魅力を教えてください。
フォームを研究するほど記録が伸びていくところです。ほんの少しの動きの違いがタイムに直結するので、自分の努力が目に見える。そこがおもしろくて、やればやるほどのめり込んでしまいます。
小学校1年生から陸上を始め、長距離を得意としていました。高校1年生で出会った競歩では、3年生のときに全国インターハイ5000m競歩で優勝。大学1年時にはU20世界選手権で銅メダルを獲得し、学生記録を樹立。ブダペスト世界陸上やパリオリンピック男女混合競歩リレーなど、世界の舞台も経験してきました。
競歩を始めた当初は、どのように技術を身につけていったのでしょうか?
指導者があまりいないので、先輩のフォームを見たり、動画を見て真似したりして学びました。動画を撮って自分で確認したり、日本陸上競技連盟のスタッフの方に見てもらったり。そういう地道な積み重ねが、自分を強くしてくれたと思います。
駅伝との両立を続けてこられて苦しい時期もあったのでは?
大学1年生のときに出た富士山女子駅伝では、足の状態が良くないまま走ってしまって、チームに迷惑をかけてしまいました。それが本当に悔しくて。あの経験が今の自分の原動力になっています。
大学では、競歩と駅伝の両立という稀有な挑戦を続けてきました。学生競歩界ではほぼ敵なしといわれ、トラック・ロードの両方で学生記録を更新。まさに“歩きと走りの二刀流”としてチームを支えています。
卒業後は競歩に専念されるそうですね。一本に絞ろうと思ったきっかけは何ですか?
はい。今は駅伝と競歩の両立を続けていますが、世界で戦うためには競歩に集中したいと考えています。どちらの競技も大切ですが、次のステージでは自分の「歩き」で勝負したいです。

