魚住 「頼る力」は、ご家族にも遺憾なく発揮されているみたいですね。
肥後 僕、インターネットが苦手なんですよ。スマホの通話やメールは使いこなせますが、ネットショッピングはお手上げ。パスワードとか出ると、もう“バカの壁”ができて「わからん!」っていう(笑)。「これ、ネットで買っておいてくれる」って息子や娘に頼っています。
魚住 でも、肥後さんのように大成功された方から「頼っていい」「負けていい」って言われると、安心する読者の方も多いと思います。私もこの本を読んで、すごくホッとしましたから。
肥後 負けて得している可能性もあると思うんです。だから「勝ち負け」にこだわらず、特に中高年の方はダラダラと生きていけばいいと思いますよ。
魚住 それでいいんですかね。
肥後 いいと思います。やっぱり後輩に頼る、後輩にかわいがられることが重要だと思います。知らない人でも、例えばスーパーのセルフレジでわからなければ店員さんを頼っていいんですよ。ただ、軸足を自分に置くことは重要です。全部頼っていたら、相手も自分も倒れてしまいますから。
魚住 それは重要ですね。
肥後 あと、昭和から平成、令和へと時代が変わったことを感じ取ることも大切ですね。自分の若い頃の常識を持ち出して「今の時代は間違っている」などと言うのはおかしいです。「まだまだ俺は現役だ」って言っていると、本当に大変なことになります。中高年の方たちには「時代を素直に受け入れましょう」って言いたいです。
魚住 私はもともと、周りの人に頼って生きてきましたけど、50代になった今、改めて肥後さんのお話をうかがって、より一層「頼っていいんだ」と思えるようになりました(笑)。
肥後 後輩たちに頼る、教えてもらう、そうやって生きていくほうがいいと思いますよ。
ゲスト:肥後克広(ひご・かつひろ)1963年、沖縄県生まれ。85年にお笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」を結成。テレビ番組「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」(日本テレビ系)出演を機に一躍人気者に。93年に新語・流行語大賞の大衆部門で銀賞を受賞した「聞いてないよォ」をはじめ、さまざまなギャグやパフォーマンスで人気を確立。役者としても活躍中。
聞き手:魚住りえ(うおずみ・りえ)大阪府生まれ、広島県育ち。慶応義塾大学文学部卒。1995年、日本テレビにアナウンサーとして入社。報道、バラエティー、情報番組などで幅広く活躍。04年に独立し、フリーアナウンサーとして芸能活動をスタート。30年にわたるアナウンスメント技術を生かした「魚住式スピーチメソッド」を確立し、現在はボイス・スピーチデザイナーとしても活躍中。

