10歳以下グリーンボールによる全国大会「Wilson×MAT NEXT HERO TOUR TAKASAKI 全国大会」が、11月8日(土)から10日(月)まで群馬県高崎市・清水善造メモリアルテニスコートをメイン会場に開催された。記念すべき第1回大会を制したのは、島村颯人(ロランインドア)。長瀬想(チェリーテニスクラブ)との決勝戦を6-5で振り切り、初代王者に輝いた。
MAT GROUPとWilsonがタッグを組んで実現した本大会は、全国47都道府県から160名が参加した国内初となる若年層向けの全国大会。「次のHEROは君だ!!」をスローガンに、未来のテニス界を担う“ネクストヒーロー”たちが全国の舞台で熱戦を繰り広げた。
大会創設の背景には、日本のテニス人口減少という課題への強い危機感にある。企画者であるMAT GROUPの松田将十氏は、「10歳以下の子どもたちに最高の経験を与え、テニスを続ける自信と動機づけを提供することが目的」と語り、“普及”を最優先に掲げた。これまで国内になかった若年層向け全国大会を、競技レベル向上と市場拡大につなげたいという強い意志が込められている。
特別協賛のWilsonは、これまで高校生の大会が中心だった18歳以下のカテゴリーから一歩踏み出し、テニスを始める「ファーストタッチ」の段階からブランドに触れてもらうことを重視。Wilson ブランドヘッドの松沢猛氏は、この取り組みを「テニス市場の普及と拡大に向けた『ファーストペンギン』になるための取り組み」と強調し、松田氏が構築した全国的なスキームとの理念一致によって実現したと説明する。大会名も、Wilsonのジュニア育成プログラムから採用されたものである。
また、本大会の最大の特徴が「10歳以下シングルス・男女混合のジェンダーレス大会」である点だ。松沢氏は「10歳以下であれば男女の身体的差が少なく、純粋な意味でのジェンダーレスな競技が可能になる」と語る。女子選手がチャンピオンになる可能性も十分にあるとし、時代に合った新しい取り組みとなる可能性が高い。大会期間中には、全国から集まった選手たちと、低年齢ならではの祖父母や両親を含む多くの家族が会場に集結し、大きな賑わいを見せた。
試合はグリーンボールが使用され、予選リーグからスタート。競争の場でありながらも、10歳以下の選手たちは12歳以上の全国大会で見られるような勝ち負けにこだわる空気感よりも、全国の仲間との出会いや交流を楽しむ“フェスティバル”的な雰囲気が強かった。大会を「家族で楽しめるイベント」へと発展させることも、今後の課題として挙げられている。
予選を勝ち抜いた選手が集う1位トーナメントでは、全国の強豪同士が激しいラリーを展開。決勝は、島村が長瀬との激戦を制し優勝を決めた。島村は勝因として「相手の動きの逆をついてチャンスボールを決められたこと」「長いラリーの中でつなげるか打つかを瞬時に判断できたこと」を挙げ、「素直にうれしい」と初の全国制覇を喜んだ。
将来は「打ち込んでボレーで決めるプレーヤーになりたい」と語り、憧れの選手はロジャー・フェデラー(スイス/元世界1位)。全国大会優勝、日本ランキング1位、そして世界ランキング1位を目指すという壮大な夢を掲げた。
大会を終え、松沢氏は「NEXT HERO TOUR」が10歳以下の子どもたちが目指すべき目標となり、全国の強豪と切磋琢磨できる最高の場になることを期待している。また、松田氏は、今後の課題としてこの大会で自信をつけた子どもたちが、テニスを続けるための明確なキャリアパスや次なる目標を、Wilsonと協力して明確にしていくという方針を掲げた。
「ヒーローを作ること」が、テニス人口の増加という根本的な課題解決につながるという信念のもと、「NEXT HERO TOUR」は、日本のテニス界の未来を担う大きな一歩を踏み出した。
構成●スマッシュ編集部
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