「厳格なルールはなく、自由な着こなしが楽しめる」。それこそがアメリカンカジュアルの醍醐味だ。しかし、日本のアメカジ業界を牽引するキーマンたちは各人各様の“マイルール”を持っている。そこには、旧きよきアメリカンスタイルを“ファッション”として落とし込むためのヒントが詰まっている。
ネイティブアメリカンの要素がウエスタンにマッチしてくれる。
アメリカのフェドラハットは、大まかに分けるとドレス系とウエスタン系にカテゴライズされる。前者はスーツなどにも合わせられるフォーマルなもの、後者はその言葉通りカウボーイが好んだカジュアルなものになる。今回は日本を代表するハットブランドであるザ ファットハッターの渡部さんに、ウエスタン系ハットの着こなしのルールを聞く。
「ウエスタンハットが持つ独特なワイルドさやカジュアル感を活かすために、ネイティブアメリカンのアイテムを合わせるのがマイルール。ともに旧きよきアメリカの象徴であり、カウボーイがコンチョベルトなどのネイティブアメリカンの工芸品を好んでいる歴史が裏付けするように、相性が抜群。それでデニムのセットアップなどにしてしまうとコテコテすぎるので、あえてホワイトに統一して、うまくバランスを取りました」

「ザ ファットハッター」マネージャー・渡部陽介さん|1983年生まれ。インポートブランドや有名セレクトショップのスタッフを経て、現職に。ハットは言わずもがな、ヴィンテージのウエアからメガネなど、様々なジャンルへの造詣が深い。コーディネートにも定評あり。

ハット7万5900円/ザ ファットハッター、ベスト/センチネラ、Tシャツ/バナナ・リパブリック、ペインターパンツ/ディッキーズ、ウエスタンブーツ/ヴィンテージ、メガネ/タートオプティカル(すべて私物)

ハットと足元のカラーリングを揃えるだけでグッとこなれた雰囲気が出るのでオススメ。この日はヴィンテージのウエスタンブーツをピックアップ。オーストリッチを贅沢に使っている。
【おすすめハット】THE FAT HATTER ジョニーラビットファー

ドレス系とウエスタン系の見分け方としてもっともわかりやすいのがリボンの幅。10ミリ幅のダブルリボン仕立ての新作シグネチャーモデルは、1950年のウエスタンスタイルをオマージュ。特注したポルトガル産ラビットファーを用いており、流れるようなティアドロップクラウンは、職人のハンドシェイプだからこそ体現できている。端にはバウンドエッジを配している。7万5900円



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THE FAT HATTER
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https://thefathattershop.com
(出典/「Lightning 2025年11月号 Vol.379」)