Photo:Sirabee編集部元東北楽天ゴールデンイーグルス監督の田尾安志氏が11月15日、自身のYouTubeチャンネル『TAO CHANNEL』を更新。阪神タイガースがトレードで北海道日本ハムファイターズから伏見寅威(とらい)を獲得した理由を分析した。
■伏見獲得の狙いは?阪神が伏見を獲得した「狙い」について田尾氏は、今季2番手捕手だった梅野隆太郎の今季の打率が2割2分、2打点と打撃が落ち込んでいることを指摘する。
そのうえで「梅野が結果を残してくれるキャッチャーでいれば、伏見選手を採らないで、もうちょっと将来を考えて、若い選手を採ろうというところまで考えたかもしれないんですが、まあ現状は(正捕手の)坂本誠志郎に1人に託してるような形になってる」と現状を解説した。
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■坂本離脱時は「ちょっと不安」田尾氏はさらに「坂本がなにかあったときに、梅野1人でやれるかといわれたときには、ちょっと不安。そういう考えが藤川球児監督にはあったと思います」と分析。
「そのときにゲームを任せられるキャッチャーがどうしても来シーズンは欲しいということで、年齢は関係なく、来シーズンにゲームを任せても大丈夫な選手を採れるなら採ってきたいっていうことだったと思います」とコメントした。
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■「第2弾、3弾、4弾」トレードもあるまた、田尾氏は阪神の若手キャッチャー陣にも「一軍のゲームを託す力はない。そういう状況のなかで、伏見寅威選手がどうしても欲しいということになったんだと思います」と分析する。
続けて「僕は優勝した年が1番トレードも活発にするべきだと思ってますし、こういうトレードはですね、優勝したときに良い結果が出やすい」とトレードに賛成。「第2弾、3弾、4弾もある」と予想した。
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■阪神と日本ハムのトレード歴日本ハムに移籍した島本浩也は長年中継ぎ左腕としてチームを支え、2023年の日本一に貢献。まだまだ戦力になる投手だ。
一方、伏見はオリックス・バファローズからFAで地元の北海道に移籍。自らの意思でファイターズを選び、ベテランとして若い選手の精神的支柱となっていただけに、移籍を惜しむ声は多い。
日本ハムと阪神は2002年オフに「下柳剛、中村豊」と「山田勝彦、伊達昌司」の2対2トレード、さらには「坪井智哉と野口寿浩」の1対1トレードが成立。下柳氏は阪神のエース格となり、坪井氏も日本ハム移籍初年度に高打率をマークするなど活躍し、2006年には日本一にも貢献した。
また、「金村暁と中村泰広」、「若竹竜士と今成亮太」「渡邉諒、高濱祐仁と齋藤友貴哉、江越大賀」などのトレードもあった。
過去の歴史を見ると、双方にとって「失敗」と言いたくなるトレードもあるだけに、今回のケースが阪神・日本ハムそれぞれにどのような影響を与えるのか注目される。
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【今回の動画】田尾氏が伏見獲得の狙いを分析■執筆者プロフィール佐藤俊治。Sirabeeには2015年11月から参画し、月40本程度プロ野球関連記事を執筆中。YouTubeで発信する野球評論家ウォッチャーでもある。野球は高校からメジャーまで年間50か所以上で現地観戦。プロ野球の贔屓チームはなく、どこのチームのファンでもない。「あの選手、あそこに行ったんだ」という目線で見守っている。
(文/Sirabee 編集部・佐藤 俊治)