これで急増中の中国人留学生は減るか。
高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁に反発し、中国教育省は何の根拠もなく日本の治安が「不安定」と決めつけ、中国人学生に対して「日本は留学環境がよくない」と警告。慎重に検討するよう呼びかける通知を公式ウェブサイトに掲載した。これで近年、増え続けている中国人留学生にストップがかかることを期待したい。
日本学生支援機構によると、昨年5月時点での中国人留学生は12万3000人と、留学生全体の37%を占め、最多となっている。円安や中国国内の経済状況に加え、米トランプ政権が中国人留学生や研究者に対する締め付けを強化している影響もあろう。
特に増加が目立つのは東京大学で、昨年は約3500人と留学生全体の7割に迫っている。とりわけ大学院生が目立ち、
「中国人留学生がいないと成り立たない」(東大関係者)
東大だけではない。自民党総務会長の有村治子参院議員は今年3月の参院外交防衛委員会で、東大や東北大、東京科学大(東京工業大と東京医科歯科大が合併)の留学生に占める中国人の割合が、6割となっていると指摘した。
さらに博士後期課程在籍中の研究者には研究・生活支援費として、年間最大290万円が3年から4年にわたって支払われ、外国人受給者の7割にあたる約2900人が、中国人留学生であることを問題視した。年間100億円近い国費が、中国人留学生のために給付されているのだ。
有村氏らの指摘により、文科省は主として日本人学生に対象を限定すると改めた。
今回、中国側が一方的に留学生を派遣しない方針を決めたことで、急激に増えていた中国人留学生が減少すれば、国公立、私立を含めた日本の教育界の、過度な中国依存を改める好機となる。
ただ、中国の富裕層は家族を連れて日本に定住しているケースが増えており、減少につながるかは不透明だ。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)

