スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーGT第6戦のGT300クラスを制したのは、60号車Syntium LMcorsa LC500 GT。前戦鈴鹿では失格の憂き目に遭ったが、そのリベンジを果たしてみせた。
今季からLC500 GTを投入して戦うLMcorsaは、開幕から苦しい戦いが続いていたが、ロングホイールベースでダウンフォースを生み出しやすいLC500には適したサーキットと言える鈴鹿で躍動。ダンロップタイヤもうまくマッチし、暫定2位でフィニッシュした。しかしながら、再車検で最低重量を800g下回っていることが発覚し失格。チームはそのリベンジを果たすべくSUGOに乗り込んできた。
SUGOは一見すると鈴鹿とは異なるコース特性に見えるが、実際には車速が著しく落ちるコーナーは少なく、上りの最終コーナーに代表されるようにダウンフォースを活かして曲がる中高速コーナーが多い。そのためチームとしても、そしてGT300規程のLC500を手がけたaprの金曽裕人としても、SUGOでのレースには手応えを持っていた。
ただダンロップは、86/BRZレースでの苦戦したことにより、新舗装となったSUGOの路面とのマッチングに不安要素を抱えていた。しかし今回のスーパーGTに向けて新開発したタイヤがしっかり機能し、LMcorsaは2番グリッドスタートから盤石のレース運びで勝利を手にした。
「(レース終盤に)気温が少し低くなったことも僕らに味方したと思います。最後の30分は予選アタック並みにずっと全開で走っていて、あとはダンロップさんのタイヤが持つことを信じて攻めきりました。その結果、本当に久しぶりのトップチェッカーを受けることができてよかったです」
そう語るのは、後半スティントを担当した河野駿佑。LMcorsaはスープラ投入初年度の2021年に富士で2勝を記録しているが、チームにとってもそれ以来の優勝となる。
見事な勝利を収めたLMcorsaだが、上位争いをした他のライバルが軒並み上限いっぱいのウエイトを搭載していた一方、彼らのサクセスウエイトが8kgだったことも確か。ドライバーの吉本大樹は「僕らが速いのは当たり前」と冷静な視点で話したが、それでも新開発のダンロップタイヤは次戦オートポリスでも活きて来るはずだと語った。
「今回優勝できましたが、周りを見渡せばフルウエイトのクルマばかりで、僕らが速いのは当たり前です。ただ今回ダンロップさんが作ってくれた新しいタイヤの方向性は、タイヤに非常に厳しいオートポリスでも活きて来るんじゃないかという期待も持っています」
「今回は軽いから勝てた、みたいな感じになっていますが、ハーフウエイトになる次回もまた優勝争いに絡んでいきたいです。今年はチャンピオンシップという部分ではもう厳しいので、来季に向けてより強いチームにしていけるような残り2戦にしたいです」
また河野は、オートポリスもLC500に適したコースだろうとして、次戦に向けた期待を語った。
「前回も失格もあり、僕らはシード権も取れないんじゃないかという状況だったのでまずはほっとしています」
「オートポリスはまた路面が特殊なところですが、コース特性的にはクルマと合っていると思います。ダンロップさんは今回のように良いタイヤを開発してくれると思います。チームとダンロップさんと共に連勝を目指して戦っていきたいです」

