2025年MotoGP最終戦でルカ・マリーニが7位を獲得したホンダは、MotoGPの優遇措置制度において最も大きな恩恵を受けられる“グループD”を脱出。マリーニ本人も、この成果を残したチームを称えた。
マリーニは、バレンシアGPの週末序盤が「悪夢」だったと振り返る。ホンダ勢は序盤のフリー走行や予選でペースに苦しんだだけでなく、スプリントではチームメイトのジョアン・ミルが2周目にマリーニを巻き込んで転倒させるという惨事も起きた。
しかもそのアクシデントにより、ミルには日曜の決勝レースでロングラップペナルティが科されてしまった。グループD脱出に向けたプレッシャーは、13番グリッドのマリーニと、11番グリッドにつけるLCRのヨハン・ザルコの肩にのしかかった。彼らは決勝レースで7位以上に入る必要があった。
しかしザルコは決勝レース1周目にフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)の転倒に絡んだことでロングラップペナルティを受けてしまい、事実上ホンダの望みはマリーニひとりに託される形となった。
マリーニはレースの大半をジャック・ミラー(プラマック)やフェルミン・アルデゲル(グレシーニ)らの後ろ、8番手を走行していたが、タイヤの内圧と摩耗をマネジメントしながらポジションをキープ。そして22周目に入るタイミングでついにミラーを抜き、7番手へと浮上した。
まさにギリギリのところでグループD脱出を決めた形だが、その立役者となったマリーニは、見た目ほど厳しい状況ではなかったと語る。
「ここ数日、僕は(グループD脱出が)できると言ってきた。僕は分かっていたんだ」
「それは今シーズンが始まった時からの目標だったし、それを最終戦で達成できたことは本当に素晴らしい。とても嬉しく思うし、ガレージのみんながすごく喜んでいるのが見えた」
またマリーニはホンダ勢の調子がなかなか上がらなかった要因について、今年のバレンシアの路面が異例な低グリップだったことを挙げた。特にソフトコンパウンドのリヤタイヤを履いた予選とスプリントでは苦戦が顕著であった。
「今週末の序盤は本当に悪夢だったよ。特にリヤタイヤにソフトを履いた時はひどかった」とマリーニは振り返る。
「僕は『みんな、僕らのバイクと路面を考えたらミディアムが正しいタイヤだ』と言ったんだ。(バイクと路面)どちらが要因かは分からないけど、とにかくソフトじゃダメだった。タイヤがちゃんと機能している感じがしなかった」
「(ミディアムが)自分たちにとって良いタイヤだとかなり確信していたし、実際(決勝レースでは)バイクとの相性もすごく良かった」
「1周目からスロットルをかなりマネジメントする必要があった。レース終盤までもたせるのは誰にとっても難しいと分かっていたからね。でもうまくいった。とても嬉しいし、クルーも素晴らしい仕事をしてくれた。この週末でバイクは大きく改善した」
「苦戦している時は変化が必要だから、僕たちも色々なことを変更した。そして最終的に、レースではベストな妥協点にたどり着くことができた」
これでホンダは、優遇措置制度における格付けがグループCに格上げされ、プライベートテストの実施に制限がかかり、テストで使えるタイヤの本数も減らされることになる。ただマリーニは、22戦という長いカレンダーの中で、グループCへ昇格しテスト機会が減少したことでチーム全体の負担が軽くなることも大きなメリットだと強調した。
「この目標を達成できたことも素晴らしいけれど、みんなが家族と過ごす時間を少しでも増やせるのも大きいね」

