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デ杯での「嫌な思い出」から3年半。綿貫陽介が因縁の相手を破り、兵庫ノアCHで栄冠「最後に踏ん張れて良かった」<SMASH>

デ杯での「嫌な思い出」から3年半。綿貫陽介が因縁の相手を破り、兵庫ノアCHで栄冠「最後に踏ん張れて良かった」<SMASH>

11月10日から16日にかけて、兵庫県三木市で開催された男子テニス国際大会「兵庫ノアチャレンジャー」。16日にはシングルス決勝が行なわれ、第4シードの綿貫陽介(世界ランキング182位)が第7シードのエリアス・イーマー(スウェーデン/同191位)に3-6、6-1、6-4で逆転勝利した。綿貫が同大会でタイトルを手にするのは、2022年以来で3度目。この優勝により綿貫は、ランキングを159位まで上げた。

「嫌な思い出がある相手」

 決勝戦の相手であるイーマーを、綿貫はそう評した。「嫌な思い出」の源泉は、22年3月のデビスカップ日本対スウェーデン戦。日本にとってアウェー開催となった国別対抗戦は、2勝2敗で星を分け合い、命運は最後のシングルスにゆだねられた。その最終決戦を戦ったのが、綿貫とイマー。結果は6-3、6-3でイーマーが勝利し、ホームの母国に勝利をもたらす。それは綿貫にとって、「自分が敗れてチームも負けるという、初の経験」だった。

 それから3年半が経ち、場所をビーンズドームに変えてもなお、ネットを挟んだ時に心の傷跡はうずいたという。

「試合序盤は、正直、僕の中でやりにくさが大きかった」

 試合後に打ち明けた綿貫の思いは、プレーにも直結しただろうか。第1セットの第6ゲームでは、フォアの強打が立て続けにラインを割ってブレークを許す。
  対するイーマーは、攻守のバランスが良い。第1セットは、6-3でイーマーの手に。3年半と同じ数字が、スコアボードに刻まれた。

 ただでさえ苦手意識を抱く相手に、「嫌な思い出」をなぞるかのような展開。

 そんな窮状の綿貫を奮い立たせたのは、「今回は僕のホームの神戸。前回より成長した自分を、皆さんに見て頂きたい」という思いだったという。自身のサービスゲームで苦しい展開が続いたが、それは、「相手が自分のフォアにうまくボールを集めてきているから」と分析。そこでエースを狙うのではなく、3球目の展開を意識した配球に変えた。

 さらに相手のサービスに対しては、スライスのリターンが有効だとの感触を得る。そのリターンを続けつつ、時に大きくポジションを下げてストローク戦に持ち込み、相手のリズムを乱していった。第2セットは、ゲームカウント1-1から綿貫が一気に抜け出し、6-1で奪取。試合は最終セットにもつれ込んだ。 両者ともに勝利への渇望をぶつけ合ったファイナルセットは、綿貫いわく「本当に我慢比べ」となる。お互いサービスゲームをキープしつつ、少ないブレークの機を狙った。

 ターニングポイントは、ゲームカウント3-4の綿貫のサービスゲーム。綿貫にミスが重なり、ブレークの危機に直面した。ただこの場面でも、綿貫のプレーに迷いはない。相手に振られながらもフォアで攻めに攻め、ラリー戦を制してブレークポイントを凌ぐ。

 その後は好サービス連発でゲームキープに成功すると、ピンチの後にチャンスあり。相手の落胆を見逃さずに攻め立てて、ブレークをもぎ取った。

 迎えた“勝利へのサービスゲーム”は、センターへのエースの好発進。最後もサービスが相手のラケットを弾き、自らの手でタイトルをつかみ取った。
  今季の綿貫は、「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)で予選から本戦3回戦への快進撃があった一方で、チャレンジャーでもなかなか勝てない時期も過ごした。

「今年はケガからの復帰のシーズンで、精神的にすごくきつかった」と、その日々を振り返る。

「昨年はオリンピックに向けてがんばりたい時期にケガをして、もう一回300位くらいからスタートする気持ち的なしんどさもあった。自分のプレーが良かっただけに自分への期待感も大きく、焦りと、もどかしさがすごくあった一年でした。その中でも、もう一段レベルを上げようと思い、最後に踏ん張れて良かった」
 
 過去の「嫌な思い出」を払拭する今回の勝利は、起伏に富む道を踏破した足跡とも重なる。

「僕の中では、終わり良ければ、全部いいかなというイメージです」

 最後に明るい笑みを広げ、新たなシーズンへと向かっていく。

取材・文●内田暁

【動画】綿貫VSイーマーの「兵庫ノアチャレンジャー」決勝戦

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配信元: THE DIGEST

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