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「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume3 日本アニメスタジオが込めた「SW愛」の裏側に迫る特別映像9本を一挙紹介

「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume3 日本アニメスタジオが込めた「SW愛」の裏側に迫る特別映像9本を一挙紹介

「極楽鳥の花」ポスター
「極楽鳥の花」ポスター / (C)2025 Lucasfilm Ltd.

ディズニー公式動画配信サービス Disney+ (ディズニープラス)で独占配信中のオリジナルアニメーションシリーズ 「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume3。これは日本の人気アニメスタジオが、独自の“ビジョン”で新たな「スター・ウォーズ」の物語を描く作品だ。登場する9作品の制作の裏側を映した特別映像が10月31日より順次解禁されてきたが、11月17日に第9弾となる「極楽鳥の花」が公開された。ここでは一連の特別映像を第1弾から振り返る。

■第1弾「The Duel: Payback」(制作:神風動画+ANIMA)

10月31日に公開された本作は、Volume1で描かれた「The Duel」の続編となる。鞘に収めたライトセーバーを腰に携え、戦いの証としてカイバー・クリスタルを集め続けるローニンが、元シスのアネ・サンと対峙する物語。

特別映像では、日本の伝統的な文化と「スター・ウォーズ」が融合した“世界観”の裏側が映し出されている。水野貴信監督は、ローニンが温泉に佇む風景をリアルに作り上げるため山形県までロケハンを行った。また、クライマックスのライトセーバー戦を迫力あるものにするため、実際に着物で殺陣をする姿を撮影して作中に落とし込んだ。巨大ビークルが連なって構成された賭場「AK-BK」は京都府の鴨川の川床に着想を得たデザインで、ヤクザのケ・ダマ親分は日本の伝統的な彫り物をしているなど、日本文化の要素が満載となっている。
日本文化の要素が満載の作品「The Duel Payback」
日本文化の要素が満載の作品「The Duel Payback」 / (C)2025 Lucasfilm Ltd.


■第2弾「彷徨う者たち」(制作:キネマシトラス)

同じく10月31日に公開された本作は、Volume1で描かれた「村の花嫁」の続編で、オーダー66を生き抜き、人助けをしながら宇宙をさまよっていた“元ジェダイ”のエフの物語。

垪和等監督は、避難船の細かい設定や背景まで丁寧に作り上げた。エフが身を寄せる避難船には、「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」でハン・ソロを冷凍したカーボナイトが採掘場から漏れ出し、星に住めなくなった人々が銀河へ飛び立ったというバックストーリーがある。また、水色のちいさくてかわいいドロイドのルルのデザインは一から生み出された。アニメ「スター・ウォーズ/反乱者たち」やドラマ「アソーカ」に登場したファントムIIなどの宇宙船、「スター・ウォーズ/クローンの攻撃」に登場したベサリスクという種族のキャラクターなども登場している。
“元ジェダイ”のエフの物語「彷徨う者たち」
“元ジェダイ”のエフの物語「彷徨う者たち」 / (C)2025 Lucasfilm Ltd.


■第3弾「The Ninth Jedi: Child of Hope」(制作:Production I.G)

11月7日に公開された本作は、Volume1の「九人目のジェダイ」の続きを描く。舞台は「スカイウォーカーの夜明け」以降の銀河で、ジェダイハンターに捕まってしまった父を救うため旅を続ける少女カーラの物語。

本作のライトセーバー戦を盛り上げるのは、カーラの前に立ちはだかるジェダイハンターの存在だ。彼らには戦国時代を思わせるような甲冑や鎧を着せ、「スター・ウォーズ/シスの復讐」に登場したライトセーバーにも対抗できるエレクトロスタッフを持たせ、緊迫のアクションシーンが演出された。カーラと出会う謎の給仕用ドロイドのテトは、タキシードを着た執事のような見た目で、塩谷直義監督はカーラの弟のような存在になるようイメージしていたという。
父を救うため旅を続ける少女カーラの物語「The Ninth Jedi Child of Hope」
父を救うため旅を続ける少女カーラの物語「The Ninth Jedi Child of Hope」 / (C)2025 Lucasfilm Ltd.


■第4弾「ユコの宝物」(制作:キネマシトラス)

11月11日に公開された本作は、タトゥイーンのとある町に住んでいる少年のユコとお世話ドロイドのビリーの、愛と友情の冒険譚。

もふもふでキュートなドロイド、ビリーの誕生秘話も明かされた。制作スタッフが交わした「ダース・ベイダーは怖いけど、日本語の発音を少し変えるだけでダース・ベアになる」という冗談からビリーは生まれた。キャラクターデザインを担当した野崎あつこ氏は、ビリーにお腹の電子レンジ機能を持たせるなど、唯一無二のキュートなドロイドを作り上げた。物語の幕開けとなるモス・アイズリー、たくさんのジャワ族、ルーク・スカイウォーカーも持っていたT-16スカイホッパーの模型など、「スター・ウォーズ/新たなる希望」を入念に研究し、細やかなオマージュが施されている。
少年のユコとお世話ドロイドのビリーの、愛と友情の冒険譚「ユコの宝物」
少年のユコとお世話ドロイドのビリーの、愛と友情の冒険譚「ユコの宝物」 / (C)2025 Lucasfilm Ltd.


■第5弾「The Bounty Hunters」(制作:WIT STUDIO)

11月13日に公開された本作は、宇宙船に乗って冒険している無法者の賞金稼ぎのセブンと、相棒ドロイドIV-A4(イヴァフォー)という異色のバディの物語。

本作には「光と闇」というテーマに通ずる日本古来の思想が込められている。2人は日本仏教の「陰と陽」のように対の存在として描かれている。医療ドロイドのIV-A4は、アサシンモードになると六本の腕と三つの顔を持つ阿修羅像をモチーフにしており、人格とともに目が赤く光る怒った表情へと変わる。一方でセブンは、ドラマ「マンダロリアン」に影響を受け、報酬よりも人を救うことを大切にする正義感あふれたキャラクターだ。エンディングには椎名林檎が歌う楽曲が登場する。
無法者の賞金稼ぎと相棒ドロイドの異色のバディ物語「The Bounty Hunters」
無法者の賞金稼ぎと相棒ドロイドの異色のバディ物語「The Bounty Hunters」 / (C)2025 Lucasfilm Ltd.


■第6弾「BLACK」(制作:デイヴィッドプロダクション)

同じく11月13日に公開された本作は、激しい戦闘の中で、過去と現在、光と闇、そして生と死について思いを巡らせる“名もなき”ストームトルーパーに焦点を当てた物語だ。

アニメ業界で35年以上のキャリアを持ち、スタジオジブリ映画も手掛けた大平晋也監督が担当。大平監督自身が一コマずつ鉛筆と紙で描き、そのラフをデジタルで実現することで、「スター・ウォーズ/ジェダイの帰還」のデス・スターでの攻防など、象徴的な戦闘シーンを独自のカメラワークとアニメーションで描きだしている。また、映像と音楽の不協和音を引き立てるため、陽気なジャズ風のサウンドトラックを求め、シンガー・ソングライターの藤原さくらの楽曲を起用した。
“名もなき”ストームトルーパーに焦点を当てた物語「BLACK」
“名もなき”ストームトルーパーに焦点を当てた物語「BLACK」 / (C)2025 Lucasfilm Ltd.


■第7弾「The Smuggler」(制作:TRIGGER)

11月14日に公開された本作は、舞台は帝国の介入を受けた惑星ゼナリタ。ハン・ソロと同じ“ならず者”で密輸業者のチタが主人公だ。チタは高額報酬の密輸依頼を引き受けるが、それは帝国軍に追われる危険な仕事だった。

大塚雅彦監督は、「スター・ウォーズ/新たなる希望」で見られるキャラクター同士の楽しい掛け合いの再現を目指した。チタと共に冒険するミセス・グリーヌは、ジェダイ・マスター、キ=アディ=ムンディと同じセリアン種族として描かれている。TRIGGERが得意とする2Dと3Dアニメーションの融合技術を駆使し、チタたちと帝国軍のスリリングなシーンに手に汗握る臨場感を演出した。
ハン・ソロと同じ“ならず者”で密輸業者のチタが主人公の物語「The Smuggler」
ハン・ソロと同じ“ならず者”で密輸業者のチタが主人公の物語「The Smuggler」 / (C)2025 Lucasfilm Ltd.


■第8弾「四枚羽の詩」(制作:プロジェクトスタジオ Q)

同じく11月14日に公開された本作は、雪に覆われた惑星を舞台に、反乱軍のプリンセスである主人公クラネが、オーロラが輝く星空の下、巨大戦闘ビークル AT-ATなどで攻撃を仕掛けてくる帝国軍から小さな子どものウーパスを守るため戦いに挑む物語だ。

主人公のクラネは新三部作の主人公レイや元祖ヒロインのレイアの姿をオマージュし、助ける小さなクリーチャーのウーパスはイウォークなどから影響を受け、“愛らしくも勇敢な戦士”としてデザインされた。メカデザインは長年「エヴァンゲリオン」シリーズに携わってきた高倉武史氏が担当し、メカのアクションシーンは日本の“特撮”から大きな影響を受けている。音楽はテイ・トウワ氏が担当し、R2-D2などのドロイドたちが使うバイナリー言語からインスピレーションを受けている。
主人公クラネがウーパスを守るため戦いに挑む物語「四枚羽の詩」
主人公クラネがウーパスを守るため戦いに挑む物語「四枚羽の詩」 / (C)2025 Lucasfilm Ltd.


■第9弾「極楽鳥の花」(制作:ポリゴン・ピクチュアズ)

11月17日に公開された本作は、ジェダイの修行中に戦闘により盲目となり遭難したパダワンの少女ナキメが、邪悪な存在にダークサイドへと誘惑される中、抗い生き延びようとする物語。

吉平直弘監督は、日本の神話や民話から着想を得ており、ナキメの衣装にはキジをモチーフとした羽や装飾が、シスのアマンの額には日本民話に登場する天邪鬼から着想を得た角が生えているなど、日本由来のデザインが誕生した。ナキメを導こうとするヒキガエルのキャラクターは、謎めいた言語で語りかけ、厳しい教えを与える姿がジェダイ・マスターのヨーダにインスパイアされている。
盲目となり遭難したパダワンの少女ナキメの物語「極楽鳥の花」
盲目となり遭難したパダワンの少女ナキメの物語「極楽鳥の花」 / (C)2025 Lucasfilm Ltd.


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