MotoGPバレンシアGPで今シーズン3勝目を収めたマルコ・ベッツェッキ。レース後にはマシンにプロポーズするパフォーマンスをしていたが、実は本当にこのマシンを自宅に持ち帰ることができるのだという。
今季からアプリリアに移籍したベッツェッキは、マシンへの適応を進めると徐々にパフォーマンスを発揮するようになり、マシンの改善も合わせて中盤以降は上位を争うようになった。
今季の締めくくりとなるバレンシアGPでもベッツェッキは速さを発揮し、ポールポジションを獲得。スプリントではホールショットデバイスのトラブルで表彰台を逃したが、決勝ではポールポジションから一度も前を譲らずに逃げ切って勝利した。
そしてフィニッシュ後、ベッツェッキはコース上でマシンを止めると、“プロポーズ”するパフォーマンスをしていたが、実際にこのRS-GPを自宅へと持ち帰ることができるという。これはアプリリアとの事前の賭けにベッツェッキが見事勝利したためだ。
「あの子は(プロポーズに)イエスと言ってくれたよ」と、ベッツェッキはレース後に語った。
「このバイクをマッシモ(リボラ/アプリリア・レーシングCEO)と賭けをして、勝ち取ったんだ」
「3勝できたら、このバイクを貰って帰るとマッシモと話していた。そして、(3勝を達成し)この子を勝ち取ったんだ……だからこそ、僕と一緒に来てくれるかを彼女に聞かなくちゃいけなかった。そして嬉しいことにイエスと言ってくれたよ」
そしてベッツェッキは「今は結婚するのがかなりトレンドになっているから、僕もちょっとトレンド感がほしかったんだ」と冗談めかしながら続けた。
「普段、僕はこういうのにあまり興味はないんだけど……僕のバイクは大好きだし、凄くクールだったと思う」
ベッツェッキは今シーズン、この賭けをモチベーションのひとつにしていたとも話している。
「家のリビングルームには大きなスペースがあるんだけど、今シーズン中ずっと、(RS-GPのために)空けていたんだ」
「自宅に帰って最初に目にするのがそこなんだ。そのおかげで、トレーニングから帰るたび、僕が何を達成したいのかをしっかりと思い出すことができた」
ベッツェッキのプロポーズ作戦は大成功に終わったが、彼は今年、レース優勝を祝うパフォーマンスでクリエイティブなところを見せてきた。9月のサンマリノGPのスプリント勝利後には、地元イタリアで大人気の映画にあやかって、木製の義足を掲げてウイニングランを展開。イタリア人以外にはわかりにくかったものの、地元では大ウケだった。
なおベッツェッキは今シーズンをランキング3位で終了。2026年はアプリリアと共に、ドゥカティとタイトル争いを繰り広げることも期待されている。

