アプリリアのホルヘ・マルティンは、MotoGPバレンシアGP決勝を15周目にリタイア。これはチームとしても計画に含まれるものだった。
マルティンは日本GPでクラッシュし右鎖骨を骨折。シーズン終盤の4戦を欠場し、最終戦バレンシアGPでやっと復帰することができた。
そんなバレンシアGPの決勝で、マルティンはスタート後にラインを意図的に外し最後尾へ後退した。これはマルティンがトラブルに巻き込まれるのを避けようとしての行動だったのは明らかだった。
そして15周目にリタイアしたわけだが、マルティンによるとレース前から既にリタイアを計画していたのだという。スプリント終了後にマルティンは肉体的に厳しいところがあると語っていて、リタイアの可能性はあると認めていたが、実際にそのとおりになったということだ。
「コース上で行くべきところは完全にわかっていたから、一旦コースを外れたんだ」とマルティンは言う。
「今日の僕は集団内を走っても意味が無かった。(1周目にコースアウトしていた)ヨハン・ザルコ(LCR)やペッコ(フランチェスコ・バニャイヤ/ドゥカティ)のことも見えていたし、あんな目には遭いたくなかった」
「2周走って、それからはバイクを理解するのに努めていた」
「とにかく、今週末を通じて本当に疲れ切っていたんだ。だからレース前の段階から、既にリタイアが視野に入っていた。チームとも話し合って、途中でリタイアするのが最も賢明な判断だったんだ」
「昨日のスプリントよりも長く15周を走れたのは良い兆候だ。でも相当疲れていたし、痛みにも悩まされていた。だから続行する意味が無かったんだ」
「痛みがあるのは確かだ。クラッシュするわけにはいかないんだ。だから今週末はただクラッシュしないように走っていた」
「この週末でリスクを負わないことでタイムロスは大きかったけど、それが来年2月の問題にはなるわけじゃない。今は回復すべき時なんだ」
なおマルティンは18日(火)のバレンシアテストでは、今回アプリリア陣営としてワンツーフィニッシュを果たしたチームメイトのマルコ・ベッツェッキと、ラウル・フェルナンデス(トラックハウス)が既に使っていたシャシーを使用する予定だ。
マルティンは今年欠場続きとなっていたため、バレンシアGPで経験を積むことができたと話している。
「今日はバイクにいくつか変更を加えてみたけど、いい方向じゃなかった。だからこそ、より多くの情報を集めているんだ」
「知識が少しずつ増えているし、今回は正しい方向じゃなかったのも分かる。マッピングにも取り組んで、このバイクで何が必要なのかも理解してきている。改善して前に進めていると思う」
「僕のコンディションも100%じゃないからこそ、今大事なのは火曜日のテストに参加することだ。そして来年2月にバイクに乗る時には、リスクを負いつつ、勝利のために足りない0.2〜0.3秒を稼ぐ準備はできているだろう」

