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「自分たちの弱さも、手応えも感じた」ウェールズ戦、ロスタイムの逆転負けはなぜ起きたのか?【ラグビー日本代表】

「自分たちの弱さも、手応えも感じた」ウェールズ戦、ロスタイムの逆転負けはなぜ起きたのか?【ラグビー日本代表】

代表戦で勝つのは難しい。

 ラグビー日本代表は現地時間11月15日、敵地カーディフのプリンシパリティスタジアムでウェールズ代表に挑んだ。

 23―21と2点リードでラストワンプレーを迎えながら、敵陣の深い位置から攻め込まれた。向こうにキックはないと見て前衛の守りを厚くし、フランカーのタイラー・ポール、フッカーの佐藤健次が接点へ圧をかける。それでも継続を断ち切れない。

 自陣に戻されたところで、レフリーのマシュー・カーリーがプレーを止める。ハーフ線付近右端で、この夜日本代表デビューのハリー・ホッキングスのタックルが危険と見なされた。チーム通算3枚目のイエローカードが出された。

  モールを組まれた。「ユーズイット!」。カーリーが、ボールを使えという意味で叫んだ。塊が2度止まったらボールを出さなければいけない決まりだからだ。

 ところがどうだ。ウェールズ代表は「ユーズイット!」の声に応じずそのままモールを押し、トライゾーンに近づいた。本来ならルール違反だろうが、プレーは続行された。

「僕はレフリーに『ユーズイット』って何回もアピールして…」と苦笑するのは、ジャパンでナンバーエイトをしたマキシ ファウルア。前半30分にハイタックルでイエローカードを食らいながら、復帰後の後半20分にトライ。最後までファイトしていた。

「(判定は)自分たちではコントロールできないところなので…。もう、身体張って止めるしかなかった」

 献身もむなしく、ここで日本代表は通算10個目の反則でペナルティーゴールを与えた。

 23―24。ロスタイムの逆転負けである。マキシはロッカー室に戻り、スーツに着替えてもうなだれたままだ。

「自分たちの規律(の乱れ)で相手にモメンタム(勢い)を持って行かれた。本当に悔しいです。言葉にできない」

 その通り、総じて判定に泣いた。

 ここに不満を述べたのはエディー・ジョーンズ。約9年ぶりに復帰して2シーズン目のベテラン指導者は、「文句言っているように聞こえるだろうが、文句を言っている」と切り出し、ラック周りの取り締まりの「一貫性」に苦言を呈した。

 あのクライマックスの場面で、身長208センチのホッキングスの相手の胸へのコンタクトがカード対象となったことへはジョークで応じた。

「ラグビーは15対15でやるべき。ワールドラグビー(国際統括団体)ももうしたいはず。もし自分がファンだったらウェールズ協会に金を返せと言うだろうが、同協会はそんなに金がない」

 それでもジャッジは覆らない。痛かったのは、流れを左右した軽微な反則だ。

 後半11、23分に与えたトライは、自分たちでスコアした直後のペナライズがきっかけだ。動き出す前の立ち位置、密集へのサポートのつき方を指摘された。

 攻守にインパクトを残したロックのワーナー・ディアンズ主将は、大観客のもとでの失敗をこう振り返った。

「何でうまくいかなかったか…ちょっとわからないです。(原因は)スタジアムの観客なのか、ゲームのプレッシャーなのか…。小さいコネクション(声のかけ合いや阿吽の呼吸)が切れたのかなって」 もっと言い訳しづらい敗因もあった。大事な場面でのミスだ。7―7で折り返した前半は、敵陣ゴール前に入りながらスコアしきれなかった回数が少なくとも3度はあった。

 ウイングの石田吉平は、前半15分に鮮やかな連携からフィニッシュも満足できなかった。

 「(点を)獲り切らなきゃいけないところでスイッチオンする。練習から(その意識で)取り組んでいかないといけない」

 戦前の世界ランクは日本代表が13位でウェールズ代表は12位。今回は、年末にある2027年のワールドカップオーストラリア大会の組分け抽選会で、2順目でくじが引ける12位以内に入る絶好機だった。

 あらゆる意味で大きな魚を逃したチームは、10月下旬からの連戦で4連敗中でもある。ずっとペナルティー禍と決定力不足が響いているが、石田は「チームとしてまとまっている。(同じ)方向性は見られている」とも話す。

 長らく課題となっていた高いキックの争奪戦は、こぼれ球の処理も含めて改善しつつある。石田のトライのきっかけは、中盤でのキックコンテストでウイングの長田智希が踏ん張り、ルーズボールに反応したセンターのディラン・ライリーが一気にブレイクしたところにある。

 新アシスタントコーチのギャリー・ゴールドが教える鋭い防御も、不振気味のウェールズ代表を跳ね返すのには十分だった。

 層の厚さも示せた。リーチ マイケルら主力のフランカーが離脱したなか、同じ位置で先発の下川甲嗣は数的不利な局面での防御で、その下川に代わって入ったポールは後半35分頃の好スティールやワークレートで光った。

 この一戦限りで早大へ戻る矢崎由高は、最後尾のフルバックとしてカウンターアタック、キックチェイスで出色の出来。スピードは圧巻だった。

 大幅に若返りながら大敗を重ねた昨秋と比べ、組織も人も伸びているのは確か。石田はこうも続ける。

「自分たちの弱さも、手応えも感じています」

 タフなキャンペーンは続く。11位のジョージア代表に敵地でぶつかるのは、現地時間22日。高強度なトレーニングとハードモードの実戦を繰り返してきた面々は、進歩の実感を結果に昇華できるか。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

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配信元: THE DIGEST

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