3度のWSBK王者トプラク・ラズガットリオグルは2026年シーズンにプラマックからMotoGPデビューを果たす。そんな大型新人とテストの場でいち早く交流を持ったMotoGP勢は、ラズガットリオグルの謙虚さや人柄を高く評価している。
ラズガットリオグルは11月9~10日にかけて、アラゴン・サーキットでヤマハとホンダが実施したプライベートテストに参加。シーズン終了後のテストよりひと足早くMotoGPマシンを試した。
当然ラズガットリオグルはこの場でホンダ、ヤマハのテストライダーと交流している。他のレギュラーライダーより早く交流したアウグスト・フェルナンデス(ヤマハのテストライダー)、アレイシ・エスパルガロ(ホンダのテストライダー)は、良い第一印象を受けたようだった。
フェルナンデスは、ラズガットリオグルに対する印象や評価を訊かれると、次のように語った。
「テストはポジティブだったし、最初のコンタクトとしては良かったと思う。彼自身も満足していたはずだ」
「彼の懸念のひとつは、以前に行ったテスト(※2年半前にもヤマハでMotoGPマシンに乗っていたが、あまり上手くいかなかった)と、ミシュランタイヤのことだった。特にフロント側は最も慣れが必要な部分だ」
「だが、彼の才能に疑いはない。どういう形であれ、最終的には速くなる。最速になれるかどうかは多くの要素に左右されるけど、今回のテストはポジティブだったと思う。いい意味で驚かされた。彼が速いことは分かっていたが、たった2回の走行であれだけ速くなるとは正直驚いた」
また、ラズガットリオグルがMotoGP人気を押し上げる存在になりうるかどうかについては、こう続けた。
「正直、分からない。だけど間違いなく、彼は信じられない才能の持ち主で、とてもユニークなライディングスタイルを持っている。MotoGPではタイヤが全然違うから、WSBKと同じとはいかないだろうけど、彼らしいライディングで違いを見せてくれるといいね。そもそも彼はものすごく才能があるし、きっとここでもスペクタクルを見せてくれるはずだ」
「彼は本当に熱心だったし、学ぶ意欲があり、謙虚だった。彼には強い学習意欲と努力を惜しまない意思があるように見えた。MotoGPで競争力を持つのは時間の問題だと思う」
そして長年MotoGPを戦ってきたベテランのエスパルガロは、ラズガットリオグルについて「謙虚で学ぶことに熱心な努力家」であり、MotoGPですぐにメディアから注目を集める可能性があると断言。「トプラクには独特なオーラがある」と語った。
「トプラクには独走なオーラがある。誰かと比較するならば少しファビオ・クアルタラロを思い起こさせる。彼はショーマンだし、MotoGPが必要としている存在だと思う」とエスパルガロは語る。
「彼とはこれまでに話したことがなかったけど、ホテルで向こうから話しかけてきて、少し話をした。とても良い奴で、これまで抱いていた印象とは違った。とても良い奴だと思う」
またエスパルガロはテストでラズガットリオグルが示したパフォーマンスにも驚かされたと語る。
「彼は非常に才能がある。アラゴンのコンディションは本当に厳しかったんだ」
「路面温度は15〜18度で、フロントタイヤはグランプリで路面50度のときに使うような硬いモノだった。ターン2では膝を地面に触れるのがやっとだったよ」
「彼はたった1日しか走らなかったのに、それでもすでに競争力を見せていた。彼は僕とほとんど同じタイム(エスパルガロからは0.25秒ほどの差だった)を出したと思う。初めてのバイクで、しかも新型なのに、驚くほど競争力があった」

