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109年前のボトルメッセージが発見――1世紀遅れの母親への手紙

109年前のボトルメッセージが発見――1世紀遅れの母親への手紙

109年前のボトルメッセージが発見――1世紀遅れの母親への手紙
109年前のボトルメッセージが発見――1世紀遅れの母親への手紙 / Credit: Debra Brown/Australian Broadcasting Corporation

第一次世界大戦中にオーストラリア兵士が海に投じたメッセージボトルが約109年の時を経て、現代の家族のもとに届けられました。

西オーストラリア州ワートンビーチで見つかった瓶は、厚手のガラスと砂丘という「天然の金庫」に守られ、海と時間の荒波をくぐり抜けて生き延びていたのです。

手紙には何が書かれていたのでしょうか?

目次

  • 浜辺で拾ったボトルメッセージは109年前のものだった
  • 手紙の中に書かれていた言葉
  • ボトルメッセージを送った若者たちのその後

浜辺で拾ったボトルメッセージは109年前のものだった

浜辺で拾ったボトルメッセージは109年前のものだった
浜辺で拾ったボトルメッセージは109年前のものだった / Credit:Canva

誰かが書いたボトルメッセージを拾ったことが切欠で冒険が始まる・・・

子どもの頃、一度はそんな妄想をしたことがある人も多いはずです。

そうでなくとも映画や漫画の中で“未来の誰か”に思いを託すシーンを見て、ちょっとだけ真似したくなったりした人も多いはずです。

しかし実際には波と風の過酷な影響で無事発見されることは極めて稀です。

実際、歴史上ボトルメッセージが発見された例は世界的にも数えるほどしかありません。

例えば、1886年に投じられたボトルメッセージが132年後の2018年に西オーストラリアで見つかったケースが知られておりギネスによって世界最古のボトルメッセージとされています。

またオーストラリア戦争記念館が収蔵するボトルメッセージ全体はわずか3例しかなく、大半の瓶は割れてしまうか栓が抜けて沈没し、あるいは砂丘に埋もれたままだと考えられます。

しかし今回奇跡的に、西オーストラリア州のエスペランス近郊ワートンビーチで、1916年8月に書かれた兵士の手紙が入った瓶が見つかりました。

発見された瓶は炭酸飲料用の厚手のガラス瓶で、内部には1916年の日付と兵士の署名がある鉛筆書きの手紙が2通収められていました。

2025年になって冬の嵐による海岸浸食で砂中の瓶が表面に出たとみられ、浜辺の清掃活動中に発見されました。

瓶から取り出された2通の手紙には、第一次大戦へ出征する若い兵士のメッセージが残されていました。

ひとつはマルコム・ネビルさん(当時27歳)が綴った母親への手紙であり、もう一つは同じ船に乗り合わせていたウィリアム・K・ハーリーさん(当時37歳)によるものです。

手紙の中に書かれていた言葉

手紙の中に書かれていた言葉
手紙の中に書かれていた言葉 / Credit: Debra Brown/Australian Broadcasting Corporation

109年遅れで届いた手紙には、何が書かれていたのでしょうか?

そこには戦地へ向かう2人の若者の当時の生の声が書き込まれていました。

マルコム・ネビルさんが綴った母親への手紙には、

お母さんへ。

ぼくは今、とても楽しくやっています。

食事も今のところ本当においしいです。

ただ一度だけ、とんでもなくまずい食事があったので、そのぶんは海に“埋葬”してしまいました。(=具合が悪くて吐いた/捨てた、の婉曲表現)

そのときはハーモニカ(mouth organ)の楽隊が、葬送行進曲を演奏してくれました。

かわいいバララット号(Ballarat)は、相変わらず大きく揺れたりローリングしたりしていますが、それでもぼくらは 「すごくご機嫌(happy as Larry)」 です。

あなたを愛する息子マルコム

加えて、手紙の最初のページには

「この瓶を見つけた方は、この手紙を母に届けてください」

というお願いの文章も書かれていました。

一方で、ウィリアム・K・ハーリーさんの手紙には、

グレート・オーストラリア湾のどこか(Somewhere in the Bight)にて。

この手紙を見つけてくださった方が、いまの私たちと同じくらい元気でありますように。

といった内容が記されていました。

ハーリーさんの母親はすでに亡くなっていたため、彼は「見つけた人が記念として持っていてよい」という趣旨を書き残していたと報じられています。

しかしなぜ100年以上も前の手紙が残っていたのでしょうか?

まず第一の要因は防水対策でした。

瓶にはしっかりとコルク栓が施され、海水や微生物の侵入を防ぐ構造になっていました。

また漂流時間の短さも重要な要因でした。

専門家の調査によると、この瓶は海に投じられてから長く漂流してはいなかったようです。

程なくして海岸に打ち上げられると砂丘の中に深く埋もれ、そのまま約1世紀もの眠りについたと考えられています。

もし瓶が海上で何十年も漂っていれば、日光で紙がボロボロになり文字も消えていたでしょう。

言わば砂丘そのものが「時を超えた守り神」となり、瓶と手紙を外界から隔離していたのです。

おかげで、ガラス瓶にはフジツボ一つ付着しておらず劣化もほとんど見られませんでした。

内部の紙は取り出した当初こそ湿っていたものの、乾燥させると109年前の文字がはっきり判読できる状態だったのです。

配信元: ナゾロジー

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