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津田健次郎、理想の“死に様”を語る 七海建人の名言「労働はクソということです」を乗り越え仕事に向き合う秘訣<呪術廻戦>

津田健次郎、理想の“死に様”を語る 七海建人の名言「労働はクソということです」を乗り越え仕事に向き合う秘訣<呪術廻戦>

アニメ「呪術廻戦」で七海建人を演じる津田健次郎
アニメ「呪術廻戦」で七海建人を演じる津田健次郎 / 撮影=山田健史

今秋、アニメ放送5周年を迎えた「呪術廻戦」。常識の通じない非日常の中でさえ、常識的な“大人”の責任を保ち続けた七海建人は、日本のみならず世界でも、五条 悟(声・中村悠一)とはまた違った存在感で人気を博すキャラクターだ。演じるのは、近年、俳優やナレーターとしても活躍めざましい声優・津田健次郎。11月上映の『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』でクライマックスを迎える七海の生き様についての所感や、自身の“死に様”への希望と対策のほか、エンターテインメントの好みの変化などを率直に語ってもらった。

■基準は「好きか、好きじゃないか」ではなく、「やるべきことか、やらざるべきことか」

――演じる上で、ご自身がファーストインプレッションで感じた面白味を手がかりにするということを以前おっしゃっていましたが、七海建人というキャラクターについてはいかがでしたか。

彼は感情を表に出さない、落ち着いた、淡々とした、クールな……責任感のある大人の男性という第一印象でしたね。この「呪術廻戦」自体が、わりと個性の強いと言いますか、普通じゃないと言いますか(笑)、そういうキャラクターがズラッと並んでいる中で、とても常識的な感覚を持っているので、彼らとはまた違う、“重力のある安定感”をベースに置きました。

――過酷な呪術師の世界で、常識的な感覚を保ち続けるって並大抵のことじゃないというか、逆に“普通”じゃないですよね。津田さんご自身が共感できるところはありますか?

そうですね(笑)。うーん、僕も仕事を『好きか、好きじゃないか』ではなく、『やるべきことか、やらざるべきことか』みたいな基準で判断する部分を結構大きく持っているんです。好みや感情と理屈を冷静に分けて、その場に最適な行動を取ろうとする感覚は、何か分かるような。

――七海さんみたいな人が現実にいたら、津田さんはどういう距離感で接しますか?

それは何か若干堅苦しそうな気もしますね(笑)。怒られそうなので。うーん、やっぱり若干面倒くさいかもしれない……。できるだけフラットに見て、接していこうとは思いますが。

――どんなタイプの人間にも、自分からアプローチをするのは苦ではない?

はい、交流のきっかけを作ることは全然、苦ではないです。ただ、僕自身、すごく他人に興味があるっていう感じでもないので、無理にしゃべるっていうこともしない。来るものは拒まず、去るものは追わず、みたいな感じかなと。

――その延長で、他のキャラクターのようなタイプの人間が身近にいたら、津田さんご自身はどういう対応をされるのか教えてください。

あ、虎杖(声・榎木淳弥)は、何か面白いので! 僕個人としては「近くにいると面白そうだな」って、積極的に近づいていくと思います。七海も一番多く絡んでいますしね。伏黒くん(声・内田雄馬)はもう、全然フラットに付き合えるタイプ。といっても、僕からアプローチしないと始まらなさそうですが(笑)。で、五条先生(声・中村悠一)は……、うん。やっぱり良い面、悪い面というか、面倒くさい部分が明確にある人なので、七海には何だかんだ縁の深い人ですが、僕個人としては、少し距離を置いておいた方がいいかなという気はします。
アニメ「呪術廻戦」より
アニメ「呪術廻戦」より / (C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会


津田健次郎
津田健次郎 / 撮影=山田健史

■“クソな労働”に向き合って、乗り越えて、死に様が「静か」であったら、理想だと思う

――作中の「渋谷事変」では次から次へと危機が襲ってきますが、もしそういう状況になったら、津田さんご自身はどういうふうに行動されますか?

あんな危機的状況の中で、最善を尽くすってのは……うーん、でも、頑張れるだけ頑張ろうかなと思います。どこまで余裕があるかにもよりますが、できれば全体のことも考えて。例えば旅先とか人間関係とかで、日常的に陥るようなピンチでも、自分なりに考えて、できることはやる。これもその場にならないと分かんないですけど、できるだけ冷静にはいたいなと思います。まぁ、咄嗟の行動は得意じゃないというか、そういう反射神経は鈍いんですけどね(笑)

――原作からのアレンジも素晴らしかった、七海さんの死に様について。

七海は基本的に、人としての夢である「後悔のない死に方」みたいなものを、実は全うできたのではないかなと思います。もちろん心残りは山ほどあるとは思うんですけど……、もう非常に潔く、うん、きれいに亡くなったのではないかと思うんですよね。死ぬとき、ただ、静かだった。

――「死に様は生き様である」とも言われますが、津田さんご自身はどう死にたいですか?

それこそ七海みたいな死に様は、非常に理想的だと思います。すごく静かに、ある種の納得を以て、受け入れていけるなら、幸福かなと。もちろん僕もそうやってきれいに、思い残すところもなく死ぬために、今、生きているうちに逆算して、ちゃんと動いていくわけですけれど。

――ありがとうございます。七海さんといえば「労働はクソということです!」という名言があり、津田さんは「お芝居はむしろ好きではない、ツラい修業のようなもの。だからこそ続けられる」みたいなことをおっしゃっていましたが、クソな状況を乗り越え向き合い続ける秘訣は?

……ツラくなければ続けられない、というほど極端ではないですけど、ハイ(笑)。僕の場合は、やっぱりお芝居がうまく絡んだり、スムーズに動いたり、思ってもない面白さがあったりとか、さまざまな要素でどうしようもなく興奮する瞬間があるんですよね。結局、まずは苦しまないとそれを味わう段階にすら辿り着けないから、日々向き合い続けてしまうんだと思います。
アニメ「呪術廻戦」より
アニメ「呪術廻戦」より / (C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会


――続いての名言、「ここからは時間外労働です」ということで、津田さんの最近のルーティンや、インプットの時間の確保の仕方とかがございましたら教えてください。

インプットはね、どうしても時間のなさや忙しさにかまけて、ちょっとサボり気味になってしまっていて、そこは大きな反省点の1つです。以前、虎杖役の榎木くんと「共同で稽古場を借りよう」みたいな話もしていましたけど、結局実現できてないですし。あると楽なんですけどね~。睡眠時間の確保とか、規則正しい生活も、最近はほんと、お仕事の状況によるって感じです。

――近年、本当にいろいろな番組からお声が聴こえてくるので、驚異的なお忙しさかと拝察します。そんな中、「死滅回游」以降の原作も読まれましたか?

とりあえず1回は読みましたよ。あとは今からテレビで見るのを楽しみにしている感じですね。

――よかったです。劇場版に続き、来年1月からTVアニメ第3期「死滅回游 前編」も始まるということで、今後の展開も含めてPRをいただければと。

まずは劇場版ですね。「渋谷事変」がお好きな方も、今後の「死滅回游」を楽しみにしてらっしゃる方も、まだ「呪術廻戦」を知らない方も、いろいろな方にあらためてスクリーンで見ていただくってこと自体がすごく素敵なことなので。まぁ、つらいお話でもありますが、そこも含めて楽しんでいただければ、それが供養といいますか、正解なんだと思います。
『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』キービジュアル
『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』キービジュアル / (C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会


――津田さんは映画を「作る」側でもありたい人とお伺いしておりますが、人生を経て、お仕事の経験も重ねて、エンターテインメントの好みに変化はありますか?

僕はずっと昔からアート映画が好きで、それは今も変わらず好きなんですけど、いわゆる“エンタメ!”っていう作品の面白さというか、“エンタメであること自体のすごさ”みたいものを感じるようになったかなと。この「呪術廻戦」も、1人の未完成な主人公の成長譚という少年誌の王道パターンを踏みつつ、呪術師をメインに据えることで描ける世界の新しさや時代性を感じますね。

――さて、「渋谷事変」の冒頭で虎杖たちが観に行っていた、「ミミズ人間4」みたいな映画についてはどうですか。

「えっと、それはつまり、B級みたいな。いや……うん、それはそれでやっぱりね、すごくファンの方もたくさんいらっしゃると思うので、ひとつのジャンルとして……見て、うん(切り替え)。僕がそういうのを選んで見ること? ないです。ハイ、ないですね(キッパリ)」

――期待通りの、七海さん口調のお答えをありがとうございます!

◆取材・文=坂戸希和美
津田健次郎
津田健次郎 / 撮影=山田健史


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