マクラーレン・レーシングのCEOであるザク・ブラウンは、NetflixのF1ドキュメンタリー『Drive to Survive(邦題:栄光のグランプリ)』がレッドブルの元チーム代表のクリスチャン・ホーナーを変えたと主張した。
ブラウンとホーナーは特にマクラーレンが競争力を上げた近年、度々衝突し、その様子がこのドキュメンタリー万組で取り上げられてきたが、以前から犬猿の仲だったわけではない。
「クリスチャンとは30年以上の付き合いだ。昔は仲が良かったんだ」とブラウンはテレグラフ紙に語った。
「彼の功績は素晴らしい。本当に脱帽だ。でも、彼は変わった。『Drive to Survive』で得られた名声、お金、栄光、すべてが少し行き過ぎたのだと思う」
2019年にシーズン1が公開された『Drive to Survive』は、アメリカや若年層におけるF1人気を高める上で重要な役割を果たした。さらにドライバーのダニエル・リカルドや元ハースチーム代表のギュンター・シュタイナー、ホーナー、メルセデス代表のトト・ウルフなど、F1界の著名人たちにもスポットライトが当てられた。
レッドブル・レーシングの指揮を執っていた当時、ホーナーがフェアプレーをしていたかと問われると、ブラウンはこう答えた。
「時々そうではないときがあった。私がレースをしていた頃は、激しいレースをしてライバルのマシンを2輪コースアウトさせるドライバーもいた。それはOKなんだ。しかし4輪ともコースアウトさせるドライバーもいる。それはダメだ。私は2輪コースアウトさせるタイプだが、クリスチャンは4輪のタイプだ」
「彼は我々のチームに対して疑惑を口にした。彼がそれを信じたとは想像できない。単に我々を混乱させるためだった。合法かどうかはさておき、技術的な理由でそんなことはしないだろうことは、このスポーツ界の誰もが知っていることだ」
ブラウンの言う疑惑が何かは明確ではないが、レッドブルはマクラーレンが何かトリックを使っているのではないかと度々疑いをかけた。F1では規則をめぐる政治的駆け引きや、盤外戦術も特徴のひとつだと言えるだろう。
だがブラウンは、ホーナーの後任としてレッドブルF1のチーム代表となったローレン・メキーズを称賛し「F1がより健全になる」と語るなど、ホーナーとの関係はどんどん悪化していたと言える。
だがレッドブルとの和解により、ホーナーは適切なポジションを見つけられれば2026年にもF1に戻ってくる可能性がある。そうなった場合、ふたりの関係はどうなるのだろうか?

