11月13日、Bリーグの今季オールスターの出場メンバーが発表されたが、ファンの間で少なくない議論を呼んでいる。
Bリーグは2026年1月16日(金)~18日(日)にかけて、長崎県のハピネスアリーナにて『りそなグループB.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2026 IN NAGASAKI』を開催。最終日にはファン投票とリーグ推薦で選ばれた選手たちによるオールスターゲーム本戦が行なわれる。
計26人の出場選手の内訳は、ファン投票10人、リーグ推薦16人。投票の際はあらかじめ、前シーズンの最終成績によって「B.BLACK」と「B.WHITE」のチーム分けが行なわれ、それぞれのPG/SG枠、SF/PF/C枠の得票上位者10人がスターティング5となる。
今年の最多得票は、「B.WHITE」PG/SG枠の富樫勇樹(千葉ジェッツ)で27万8043票。そのほか、「B.WHITE」SF/PF/C枠は渡邊雄太(千葉ジェッツ)、「B.BLACK」のPG/SG枠は比江島慎(宇都宮ブレックス)、SF/PF/C枠は吉井裕鷹(三遠ネオフェニックス)が各枠でトップに立った。
ファン投票は、いわば多数決。より多くのファンが見たいと願う選手が選ばれることは自然な流れだ。
問題は、ファン投票で選ばれなかった選手が対象となるリーグ推薦。ここではシーズンで目覚ましい活躍を見せる選手が名を連ねる...かと思いきや、Bリーグのサイトには次のように明記されている。
■B.LEAGUE推薦の選出の流れ
・ファン投票の集計結果に基づき、リーグ推薦枠の付与対象クラブを決定します。
・原則として、推薦枠が付与されたクラブから、ファン投票数の多い選手を追加で選出します。
つまり、リーグ推薦もファン投票の延長でしかないということだ。
結果として、今季8試合で平均4分しかコートに立っていない日本代表経験者の川真田紘也(長崎ヴェルカ「B.WHITE」SF/PF/C枠10位)や、平均5.4点の瀬川琉久(千葉ジェッツ「B.WHITE」PG/SG枠3位)、平均2.3点の竹内譲次(大阪エヴェッサ「B.BLACK」SF/PF/C枠順位不明)らが選ばれ、ネームバリューに偏りすぎではと議論を呼んでいる。
とりわけ、チームのエース格である外国籍選手、2シーズン連続MVPのDJ・ニュービル(宇都宮)をはじめ、得点ランキング1位のマット・ボンズ(大阪)、同3位のジャレット・カルバー(仙台)、同5位で好調の長崎を牽引するスタンリー・ジョンソンなどが軒並み選外なのは、あまりにイビツと言わざるを得ない。
また、必ずしも日本人選手が優遇されているかと言えばそうではなく、今季西地区で首位争いを演じる名古屋ダイヤモンドドルフィンズの司令塔、齋藤拓実も「B.BLACK」のPG/SG枠で5位ながらメンバー漏れしている。
もちろん興行である以上、実際に会場に足を運ぶファンの意見を反映したいというリーグの意思は理解できる。しかし「NBAに次ぐ世界2番目のリーグ」を目指すと公言しているからには、もう少し今季の成績を加味したバランスの取り方があるのではないか。
例えば、“開催地枠”や“スタッツリーダー枠”を作ったり、いっそのこと“外国籍チームvs日本人チーム”といった枠組み自体の変更も考慮してもいいかもしれない。 もうひとつ、メンバー選出において気になるのが、ファン投票実施のタイミングだ。
今季のBリーグの開幕は10月3日。オールスターの投票はその2週間後の17日に始まり、11月3日には締め切られた。
開幕からわずか1か月しか投票の猶予がなく、逆に本番までには2か月以上の空きがある。これでは“2025-26シーズンのオールスター”と銘打ちながら、今季のリーグ状況を反映するのは難しいだろう。
参考までに、NBAのオールスターは毎年2月半ばに開催され、ファン投票は12月中旬~1月中旬にかけて行なわれる。リザーブ選手を含めた全出場者が発表されるのは、大会の約2週間前だ(今季は未定)。
投票システムに関しても、かつては中国出身のヤオ・ミンが自国のファンから大量に票を集めていたことなどもあり、現在はファン投票の比率が50%、選手投票とメディア投票が各25%の総合ポイントで先発メンバーを選出。リザーブメンバーは各球団のヘッドコーチ投票で決める方式となっている。
試合内容は“スター選手による本気の戦いが見られない”という課題が毎年挙げられ、今季は米国出身選手で構成される2チームと、米国外出身選手で構成される1チームの計3チームが対戦する新方式が採用されるなど試行錯誤が続くが、出場選手の選出方法自体は変わらない。
NBAでは選手を紹介する際に「オールスター出場●回」「オールスターガード」のように形容することも多く、選ばれること自体が栄誉となっているが、現在のBリーグはそうなっているだろうか。リーグにいる若い選手や、将来Bリーガーになることを夢見る子どもたちが憧れる“夢の祭典”であってほしい。
構成●ダンクシュート編集部
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