現地11月16日に行なわれた北中米ワールドカップ欧州予選で、イタリア代表はノルウェー代表に1-4の大敗を喫し、グループIの2位が確定。来年3月のプレーオフで3大会ぶりの本大会出場に望みを繋ぐこととなった。
今年6月に0-3で敗れていたノルウェーとのリターンマッチ。逆転での首位奪取には「9点差以上」の勝利が必要だった。さすがに現実味がない状況で、あくまでもプレーオフに向けて良い流れを生み出すための試合としたかった「アッズーリ」は、前半は攻勢に立ち、11分にFWフランチェスコ・ピオ・エスポージトが先制ゴールを決めたが、後半に大失速。63分にアントニオ・ヌサに同点とされると、最も警戒していたアーリング・ハーランドに2発を許し、アディショナルタイムにも1点を奪われてしまった。
今予選でノルウェー相手に2敗。2戦合計1得点・7失点と無残な結果に終わった後、ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督は「厳しい結果をファンの皆さまにお詫びしたい。本当に残念だった。前半はいいプレーができたが、後半戦は悔しい結果となった。ただ、我々は傷を癒やして、立ち直りたいと思っている」と口にした。
またキャプテンのGKジャンルイジ・ドンナルンマは、「前半は全く別の試合だった。相手を自陣から出させなかった。ああいう戦いを45分ではなく、95分間続けないといけない。つらい敗戦だが、3月の2試合(トーナメント方式のプレーオフ)に全てが懸かっているから、顔を上げなければならない。自信と自己信頼を必ず取り戻せると確信している」と、3月の決戦を見据えた。
この結果にイタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「この敗戦は、少なくとも内容だけを見れば、6月のオスロでの“屈辱”ほどではないが、我々がまだ欧州トップレベルに達していないことを思い知らせるものだった」とばっさり。「イタリアがW杯に向かうにはプレーオフを待つしかなく、3回目の悲劇を避けることを願うばかりだ」と綴った。イタリアは前回の2022年W杯カタール大会、前々回の18年ロシア大会で、いずれも予選プレーオフで敗退している。
一方、スペインのスポーツ紙『Marca』が「イタリアが再び問題を抱えている。深刻な問題だ。そしてそれは、W杯予選で3大会連続で起きていることでもある。ガットゥーゾという象徴的な存在の監督就任をもってしても、“惨事”を避けるには至らなかった。サン・シーロでの1–4という結果は、まさに『予告された死』のようなもの。難易度の高いプレーオフで楽観視できるような材料はほとんどない」と厳しい見解を示している。
プレーオフについては、『Gazzetta dello Sport』紙が「ランキング上のシードであるイタリアは、準決勝で第4ポットのチームと対戦」とし、11月16日の時点でスウェーデン、ルーマニア、北アイルランドが候補であると報道。18年ロシア大会予選プレーオフで敗れたスウェーデンに対しては、今予選では無残な成績(スイス、コソボ、スロベニアと同居したグループBで1分け4敗の最下位)に終わったとはいえ、アレクサンデル・イサク、ヴィクトル・ヨケレスという強力なFWを擁しており、「忌まわしい前例があるため、対戦は避けたい」と懇願した。
残りの北アイルランドは、1958年スウェーデン大会予選でアッズーリを敗退に追い込んだ相手で「気まずい記憶を呼び起こす」が、それでも「今回の候補の中では最も力が劣る」と歓迎。名将ミルチェア・ルチェスク率いるルーマニアに対しては、「もはやゲオルゲ・ハジの時代のチームではない」との評価を下している。
イタリアの日刊紙『Corriere della Sera』は自国民に向けて、「今は落ち着かなければならない。絶望に襲われてはいけない。状況は悪いが、これが今のイタリアだ。この技術レベルで、3月のプレーオフという苦行に立ち向かわなければならない。我々はガットゥーゾ監督に寄り添うべきだ。(このような状況に陥ったのは)彼の責任ではない」と訴え。あらためて、「ここで落ち込んだら終わりだ。絶望したら完全に詰んでしまう」とプレーオフに向けて、一致団結を呼びかけた。
構成●THE DIGEST編集部
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