俳優、脚本家、映画監督としても活躍する鬼才、佐藤二朗が初の漫画原作を手掛け、脚本、主演を務める、映画『名無し』が2026年5月に公開される。このたび、佐藤演じる“異能”を持つ動機不明の連続殺人犯、山田太郎を囲む3人のメインキャストが解禁となった。
原作は、マンガ配信サイト「コミプレ-Comiplex-」にて絶賛連載中の同名漫画「名無し」を映画化する本作。佐藤が映画用に描いたもののお蔵入り寸前だったオリジナル脚本が書籍編集者の目に留まり、永田諒の作画によって漫画化された。数奇な運命を背負った“異能”の男の希望と絶望、そして狂気を描破するこのサイコバイオレンスは、連続殺人事件の容疑者で「山田」と呼ばれる主人公の得体の知れなさが好評を博している。映画化不可能と言われたこの原作に、佐藤自らが「山田」に命を吹き込み、城定監督が映画として分厚い肉付けを施す。
このたび、丸山隆平、MEGUMI、佐々木蔵之介ら本作に出演する豪華キャストが解禁。年内に撮影を行い、2026年5月の公開を予定している本作。丸山が演じるのは、身寄りも名前すらもなかった少年期の“名無し”(山田太郎)の名付け親となる巡査、照夫。丸山は「この世界の中に飛び込めることを、光栄に思います。観てくださるみなさんに楽しんでもらえるよう、作品の一部として全力を尽くします」と意気込む。
MEGUMIが演じるのは、「山田」と同じ児童養護施設で育ち共に暮らしていた山田花子。「山田」を慕いながらも彼の持つ“異能”を最もよく知り恐れている人物だ。MEGUMIは「私にとって大きなチャレンジとなるこの機会を、最後まで大切に演じたいと思います」とコメント。佐々木は、連続殺人事件の容疑者「山田」を止めるべく奔走する刑事、国枝役を務める。佐々木は「佐藤二朗は、わたしの勝手にだが、戦友というか同志に思ってる。思いたい。思わせてくれ」と語っている。
果たして、この3人は「山田」の過去と現在、そして動機不明の連続殺人にどうつながっていくのか?原作、脚本、主演の佐藤と監督、城定の鬼才タッグで贈る、“名前のない怪物”を描くサイコバイオレンスをぜひ劇場で目撃してほしい。
■<キャストコメント>
●丸山隆平(照夫役)
「まず、この唯一無二の世界観を生みだしてくださった、佐藤二朗さんに感謝します。原作を読みましたが、どこからこんな発想が生まれるのか。ただ残忍なだけではなく、深く共感せざるを得ない、人間としての欠陥を象徴するかのような特殊性。この世界の中に飛び込めることを、光栄に思います。観てくださるみなさんに楽しんでもらえるよう、作品の一部として全力を尽くします。公開をお楽しみにっ!」
●MEGUMI(山田花子役)
「佐藤二朗さんとは、数年前にコメディドラマでご一緒して以来の再会になります。今回は、こんなにも深く、そして悲しい関係で再びご一緒できることに、この世界で働くおもしろさと不思議さを噛みしめています。『自分の持つ傷の行方』ということを考えながら、今回の役に真摯に向き合いたいと思います。私にとって大きなチャレンジとなるこの機会を、最後まで大切に演じたいと思います」
●佐々木蔵之介(国枝役)
「佐藤二朗は、わたしの勝手にだが、戦友というか同志に思ってる。思いたい。思わせてくれ。わたしが関西から上京して来たばかりの時、一緒に小さな舞台に立ったり、ドラマにもちょいと共演したり。同じ小劇場出身の泥臭い匂いを感じてた。劇団(現:演劇ユニット)『ちからわざ』で自ら脚本を書いて公演しているのを偉いな立派だな、と思ってた。それが、映画の原作脚本書いてプロデュースするなんて。そして、声掛けてくれるなんて。ありがとう。ちょびっとはがんばるよ」
文/鈴木レイヤ
