
2022年、シリーズ40周年を記念し発売されたフィギュア。全高40cmで電子ギミックを備え、お値段4万3450円(税込)。「Ultimate Article 宇宙刑事ギャバン」(メガハウス) (C)東映
【画像4枚】ドルギランってなんだ!?←ギャバンのフネと相棒さ! 分離変形するぞ!
「蒸着!」と叫んだ世代が「お客様」
2025年11月10日、日刊スポーツが衝撃的なニュースを報じました。約50年続く「スーパー戦隊」シリーズが2026年に終了し、後番組として「令和版宇宙刑事ギャバン」が放送されるというのです。
「戦隊が終わる……?」という驚きと同時に、多くの40代や50代が反応したのではないでしょうか。1982年に放送された『宇宙刑事ギャバン』をリアルタイムで見ていた子供たちは、今や40代後半から50代になっています。
ただ、この「懐かしさ」の裏側には、もしかすると「狙われている?」とも思える、ある戦略が見え隠れするようです。
「スーパー戦隊」シリーズのメインターゲットは、未就学児から小学生くらいの男児、しかし日本の出生数は年々、減少を続けています。さらに、いまの子供たちには、YouTubeやゲームなど、娯楽の選択肢が無数にあります。毎年、新しいヒーローとロボットが登場し、「今年の玩具」を買ってもらうというビジネスモデルは、維持が難しくなっているのかもしれません。
一方で、可処分所得を持つ大人向けの市場は拡大しています。特に40代、50代は、かつて特撮ヒーローに夢中だった世代であり、そしていまや50歳男性の3人にひとりは未婚というご時世です(厚生労働省「令和5年版厚生労働白書」による)。彼らは「あのころ」へのノスタルジーに「使えるお金」のある層でもあります。
実際、バンダイナムコのトイホビー事業では、2021年時点で大人向け商品が「約4割」を占めるまでになったとの報もあります。そして2025年11月に発表された最新の決算説明会では、「プラモデルなどのハイターゲット商品好調」と明言されました。
数万円する大人向けの「変身ベルト」も、珍しいものではなくなりました。『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』も、まさに「かつて子供だった大人」をターゲットにした作品といえるでしょう。
そして、ファンのなかにもこの構造に気づいている方がいるようです。
戦隊終了の報が流れた同日、マグミクスが配信した記事「『ギャバンってなんだ!?』ガチとネタ入り乱れSNSカオス 令和版放送の報道受け」のコメント欄には「大人玩具需要を狙っている」といった冷静な分析も見られました。
同時に「0.05秒」という蒸着時間を今でも覚えている世代が、「ED思い出したらなんか泣けてきた」とつぶやいています。「狙われている」とわかっていながら、それでもあのころの記憶に、確実に心を動かされてしまう……そうした複雑な心境が見て取れるといえるでしょう。
そして『ギャバン』です。「コンバットスーツ」「レーザーブレード」「ドルギラン」……どれも、高額な大人向け玩具として商品化しやすいアイテムばかりといえるでしょう。
読者コメントでは早くも、串田アキラさんの主題歌や、渡辺宙明氏の「宙明節」への期待の声も上がっています。「生身でアクションできる俳優を」といった、妥協を許さない本物志向の要望も見られます。これは単なる「懐かしさ」ではなく、当時の「本物の興奮」を令和の技術で再現してほしいという、大人ならではの要求でしょう。
ある読者は、次のようにコメントしていました。「そんな昔の事、振り向くなよ。若さを無くした証拠だな。たいした大人になれなかったよ。ごめんなギャバン」。
主題歌で「若さってなんだ」と問いかけていたギャバンに、「若さを無くした」と謝る40代の姿があります。でも、あのころの自分にもう一度会いたいという気持ちは、きっと誰にでもあるはずです。
「懐かしさ」がビジネスになる時代が来ています。それは少し寂しくもありますが、かつて夢中だったものが、また輝きを取り戻すのなら、それはそれで、悪くないのかもしれませんね。
