サッカー森保ジャパンが年内最終戦となるボリビア戦(11月18日)を、3-0と危なげなく乗り切った。この試合が国際Aマッチ100試合目という、節目になった。勝率は70%を超えている。試合後、就任8年目の森保一監督はこう言った。
「好きな仕事をさせていただいて、感謝しかない。いつもこの試合が最後と思って、ピッチに立っています。いつでもバトンをわたすつもり」
古参のサッカー担当記者がボリビア戦の舞台裏を明かす。
「実はこの試合は、メッシのいるアルゼンチン代表を招待する予定でした。ところがアルゼンチン協会が日本協会に対して3億円近いギャラを要求したため、断念せざるをえませんでした」
サポーターの目は正直だ。ボリビア戦では国立競技場で5万3508人を動員したが、これが2019年に完成した新国立競技場におけるサッカー日本代表戦で、最も少ない観客数となった。日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長は、
「マッチメークとか開催会場をもう1回、検証したい」
と話したが、W杯前年にもかかわらず空席が目立った真相は、そのチケット代の異常な高さにある。
サッカー代表戦は日程や天候や個人の嗜好などを分析してチケットの価格を変動させる「ダイナミック・プライシング」を導入。ボリビア戦は自由席(カテゴリー5)を一般6800円で売り出したが、試合直前には1万6800円に、小中学生は2700円だったが、6700円まで上がっていた。
「親子4人で見に行ったら、ディズニーランドに行くより高い。無理ですよ」
そうボヤくサポーターの悲鳴は、JFAには届いていないようだ。
(小田龍司)

