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「TOEIC300点、成績ほぼ最下位」から22社内定。“普通の大学生”が実施した就活攻略術。

「TOEIC300点、成績ほぼ最下位」から22社内定。“普通の大学生”が実施した就活攻略術。

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地方の中堅大学で成績は最低レベル、留学経験なし、資格は自動車免許のみ──、13年前、そんな「普通すぎるスペック」の大学生だった藤井智也さん。

それでも“就活”を攻略し、22社から内定を獲得。新卒で採用倍率300倍超えの大手食品メーカーに就職しました。

その後独立し、就活ブログ『就活攻略論』は8年間で2,400万PVを突破。2025年8月に発売した著書『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』(ダイヤモンド社)もAmazonベストセラーとなっています。

藤井さんはなぜ就活に夢中になり、それを仕事にするまでになったのでしょうか。自分らしくはたらくヒントを伺います。

TOEIC300点台、成績最底辺の大学生が書店で出会ったもの

──藤井さんの子ども時代について教えてください。どのような環境で育ったのでしょうか?

小学生時代は、本を読んだり絵を描いたりするのが好きな、インドアな子どもでしたね。

今思うとこのころから集団生活が苦手でしたが、神経質なくらい他人に気を使うので“合わせることができてしまう”んです。たとえば学校の校門にたむろしているヤンキーとも、うまく会話できちゃうんですよ。ある種、もっと鈍感だったら生きやすかったのかなと思います。

小学4年生のときに両親が離婚して、ぼくは母と一緒に母方の祖父母の家で暮らすようになりました。当時はヤクザが取り立てに来るレベルで家計が大変だったので、祖父母に救われた感覚があります。

「将来安定した大企業に就職するぞ」と思うようになったのも、祖父母に恩返ししたい気持ちと、「将来お金に困りたくない」という恐怖心があったからでした。ある意味、英才教育だったのかもしれません(笑)。

「TOEIC300点、成績ほぼ最下位」から22社内定。“普通の大学生”が実施した就活攻略術。
アニメや漫画が好きだという藤井さん。高校の夏休みは『鋼の錬金術師』を3周見て終わったこともあるという

──大学で、就活に夢中になったきっかけはなんだったのでしょうか。

もともと勉強は嫌いでしたが、理科の生物だけは好きだったので、一点突破で地元愛知県の中堅大学に入りました。県内では規模の大きい大学ですが、全国的にはあまり知られていません。

成績は最底辺で、単位もいつもギリギリ。そもそもぼくは、「絶対に成果につながる」という確信が持てるものしか本気で取り組めないタイプなんです。TOEICも300点台で、友人にめちゃくちゃバカにされていました。

大学1年生のとき、書店一体型のカフェでテスト勉強をしていて。息抜きに漫画コーナーへ向かったら、手前のビジネス書コーナーに気になる本が平積みされていたんです。正確なタイトルを忘れてしまいましたが、「お金持ちになる方法」といった趣旨でした。

すごく興味があったので、カフェに持ち込んで読んでみると、そこには「即返信・即レスが大事」など、社会人として信頼される方法が書いてあったんです。

「大学1年生のときからこれを知っていれば、社会人になったときにとんでもなく活躍できるぞ!」と興奮して、自分だけが受験の赤本を手に入れた気分になったんですよね。

──社会人になるとよく耳にすることでも、大学1年生の藤井さんには新鮮だったのですね。

同時に「就活に応用すれば、東大生にも勝てるかもしれない」と思いました。就活を100m走に例えると、ぼくだけ90mからスタートできると思ったんです。

そこから、面接官の心理を知るための心理学の本や、行動経済学、コミュニケーション術といったビジネス書や就活本を読み漁りました。

ビジネス書は社会人になっても役立つ確信があったので、月に100冊以上読めたんです。お金がなかったので、基本は書店と一体になったカフェで読むスタイルでしたが(笑)、在学中に合計1,000冊以上は読んだと思います。

「TOEIC300点、成績ほぼ最下位」から22社内定。“普通の大学生”が実施した就活攻略術。

就活は点数じゃない、面接官次第。その“不安定さ”に夢中になった

──なぜ、そこまで就活に夢中になれたのでしょうか。

ビジネス書や就活本を読んで気付いたんです。大学受験は点数で決まるけれど、就活は点数じゃない。あくまでも対面接官なので、企業ごとにさまざまな軸があるんですよね。この不安定さにハマってしまいました。

しかも各企業の「採用大学一覧」を見ると、大企業でも無名の大学を採用している企業がありました。それを見て、「学歴以外にも評価される要素があるんだ」と確信したんです。

──実際にはどのように就活をされたのですか?

履歴書を書くときも面接で話すときも、理由を深く語ることを意識しました。

たとえば、留学経験ってすごいじゃないですか。でも、「なぜ留学したのか?」と面接で聞かれたときに、浅い理由しか語れなければなんとなく留学したと思われてしまう。

でも逆に、「私はフードコートでお皿を下げるときに必ずお礼を言います」レベルの小さな実績でも、「ありがとうと伝えた側も気分が良くなる」「感謝することで一日の幸福度が高まる」といった深い理由を語ることができれば、留学経験に勝てるんです。

「この会社でならはたらきたい」と本気で思える企業に80社以上エントリーして、50社ほど面接を受けました。交通費や宿泊費を含めると10〜20万円ほどかかりましたが、夜行バスや漫画喫茶を使って節約しながら全国を回りましたね。

その結果、大手企業を含めて22社から内定をいただき、そのうちの1社である大手食品メーカーに入社を決めました。子どものころからその会社の商品が好きで、愛着があったからです。

──新卒で就職した2016年に就活ブログを立ち上げたそうですが、何がきっかけだったのですか。

ぼくは早くから就活を始めていたこともあって、大学のキャリアセンターの方と仲が良かったんですね。

大学4年生で大手食品メーカーに内定が決まったとき、キャリアセンターの方にそれを伝えたらすごく驚かれて、その流れで「大学3年生向けの就活セミナーで講師をやってくれないか」と頼まれたんです。

実際に200名ほどの就活生の前で就活経験を話したら、セミナー後の満足度アンケートで、「満足」という回答が100%だったんですよ。

さらに約1カ月後、保護者向けの就活説明会にも呼ばれました。そこでも何百名もの方の前で、先ほど例に挙げたフードコートのエピソードを話したところ、説明会後にたくさんの保護者の方が相談に来てくれて。

そんなにちやほやされたのは人生ではじめてでしたし、友達も少なく、個人プレーで生きてきた自分が人の役に立てたことに感動しました。

この講師経験がきっかけで「自分の経験は価値があるものなんだ」と実感して、2016年3月に卒業してすぐ、「就活マン」という活動名でブログを書き始めたんです。

「TOEIC300点、成績ほぼ最下位」から22社内定。“普通の大学生”が実施した就活攻略術。
著書出版のきっかけは、ブログが出版社の目に留まったことだそう

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