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「TOEIC300点、成績ほぼ最下位」から22社内定。“普通の大学生”が実施した就活攻略術。

「TOEIC300点、成績ほぼ最下位」から22社内定。“普通の大学生”が実施した就活攻略術。

年収が5分の1になっても幸せだった3つの理由

──大手食品メーカーを1年で退職し、起業したきっかけを教えてください。

とても素敵な会社で、仕事にもやりがいがありました。一方で、自分は子どものころからそうだったように、集団行動に向いていないことにも気付いたんです。人に気を使ってビクビクしてしまうというか。

「辞めたらこんな魅力的な会社にはもう二度と入れないぞ」という葛藤もありましたが、卒業前に趣味で始めていたブログを本格的にやってみようと思い、独立を決意しました。

──独立後の生活はいかがでしたか。

平日にブログを書き続け、週末に派遣でコンサートスタッフのアルバイトなどをする生活でしたね。収入は大手食品メーカー時代の約5分の1でしたし、家賃が払えなくて胃が痛くなることもありました。

──年収が5分の1になってもブログを書き続けられた理由はなんでしょうか。

ブログを書くのは、子ども時代に絵を描いていたのと同じくらい楽しかったんです。

開設2年目までほぼ収益ゼロでしたが、平日に映画を見たり、好きな時間に好きなことができたりする自由が幸せで、生き生きしていたと思います(笑)。この自由を年収に換算したら、2,000万円くらいの価値があるなと。

もちろん安易に起業をすすめたいとは思っていません。人って毎月決まったお給料が入らないことにすごいストレスを感じますから、大多数の人には会社員のほうが合っていると思います。

ただ、独立してからは意識的に“無形の価値”を探すようにしていたんです。家族や友達がいること、好きな人とはたらけること……こうした価値ってみんな甘く見積もりがちですが、実はすごく大きいと思うんですよ。

──もう少し具体的に教えてください。

人って自分と他人を比べるとき、なぜか「数字」という1つの評価軸で比べてしまうんです。就活中の人なら内定数、転職活動中の人なら年収。でも実は、人と比べる評価軸って1万通り以上あるんですよ。

たとえば、売れっ子のアイドルと「見た目」で比べたらぼくの負けですが、「プライベートの自由度」なら勝てますよね。

だから、自分と誰かを比べそうになったら「自分が絶対に勝っている」と思う軸を1つ見つける。こうした無形の価値を洗い出してみると、案外お金ってそこまで重要ではないと気付くかもしれません。

──スタジオパーソルの読者である“はたらく若者”に、「はたらく」をもっと自分らしく、楽しくするためのアドバイスをいただけますか。

「なぜなぜ分析」をご存知でしょうか?

トヨタ自動車で生産性向上のために生み出された思考のテクニックなのですが、自分が何に幸せを感じるのか知るきっかけになるのでおすすめです。

たとえばぼくは毎日ロードバイクで片道10キロ走るのですが、紙に「なぜロードバイクが好きなのか?」と書いてみると、「電車賃もガソリン代もかからないし、筋トレにもなってお得だから」という理由が見えてきました。

「TOEIC300点、成績ほぼ最下位」から22社内定。“普通の大学生”が実施した就活攻略術。

さらに「なぜお得が好きなのか?」と掘り下げていくと、「子どものころに節約生活だったから」という原体験にたどり着きました。

つまり、昔は「お金」を軸に生きていましたが、本当は「お金そのもの」よりも「お得」に幸せを感じるタイプだと分かったんです。

みんな、「年収1,000万円を稼ぐ」のように“すごい変化”をしないと幸せになれないと思いがちですが、実は「お得」が好きな人は、今の生活のままメルカリやブックオフを活用するだけで幸福度が上がるかもしれません。反対に「お金」が好きな人は、転職でキャリアアップすることが幸せへの道かもしれない。

その人にとっての幸せは刻一刻と変わるものなので、まずは毎日1分、その日思ったことを紙に書いて、なぜなぜ分析をしてみてください。

(取材・文:原由希奈 写真提供:藤井智也さん)

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