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THE YELLOW MONKEY・吉井和哉「この映画のためにミュージシャンになったよう」<みらいのうた>

THE YELLOW MONKEY・吉井和哉「この映画のためにミュージシャンになったよう」<みらいのうた>

THE YELLOW MONKEY・吉井和哉が完成披露舞台あいさつに登壇
THE YELLOW MONKEY・吉井和哉が完成披露舞台あいさつに登壇 / (C)2025「みらいのうた」製作委員会

THE YELLOW MONKEYのボーカル・吉井和哉が、11月18日に都内で開催された「みらいのうた」(12月5日[金]公開)の完成披露舞台あいさつに登壇。同作は、吉井に、3年以上に渡って密着したドキュメンタリー映画。吉井とエリザベス宮地監督は、当時の撮影秘話などを話した。

■映画化を想定せず撮影を開始 喉のガンが見つかる

満員の会場に吉井と宮地監督が登壇すると、大きな歓声が沸き起こり、トークの前からまるでライブ会場のような熱気が充満する盛り上がりとなった。

同作を制作するにあたり、2022年頃から500時間以上、宮地監督はずっとカメラを離さずに吉井を撮影していたと言い、「残りの映像は僕の家のハードディスクにあります。最初ラフに編集した時は50時間でした」と述懐。すかさず吉井も「それは特典映像で。入浴シーンもありますよね?」と冗談めかしてコメントし、会場の笑いを誘った。

そもそも、このドキュメンタリー制作の企画は、映画化を前提としたものではなかったという。吉井がポリープの治療でライブ活動を休止していた時期に、「ソロアルバムを作るにあたって、自分の半生を振り返るようなショートドキュメントを」というアイディアからスタートした。

だが、その撮影の途中で吉井自身の体に異変が見つかった。「喉の状況の雲行きが怪しくなってきちゃって。監督にはLINEで伝えました。『がんになっちゃいました(笑)』みたいな感じで」とほほ笑み交じりで語る吉井に対して、宮地監督も「本当にそんな感じだったんで、ビックリしちゃったんです」と当時を振り返る。

■吉井和哉の実母や地元の友達も当日アポで出演

吉井のドキュメンタリーを撮るにあたり、「最初はすごく緊張していたんですけど、吉井さんは最初からフレンドリーに接してくれた」と語る宮地監督。やり取りは事務所を介さず、吉井と宮地監督が直接行った。

劇中では、助手席に乗った宮地監督が、運転する吉井の姿を映すシーンがしばしば登場するが、それは吉井が宮地監督を車で迎えに来たところで撮影したものだったという。吉井も「自分の車もありますけど、最後の方はレンタカー。自分で手配して借りてますからね。僕が(レンタカーの)車の傷もチェックしましたからね…。なんだか急に腹が立ってきた(笑)。普通こういうのはマネジメント側が用意しますよね」と冗談交じりで話した。

そんなプライベート感あふれる静岡での撮影だったが、登場する吉井の母親や同級生への取材もすべて当日にアポを取ったもの。「同級生にも何人か出てもらってるんですけど、全部当日アポです。暇だろうと思ったんで(笑)。母親にも当日に連絡したら『(部屋を)片付けてないから困る!』とめっちゃキレられました(笑)」と振り返った吉井。

さらに「実は母親がまだこの映画を見てないんですよ。だから俺、ドキドキしているんですよ。一番ダメ出しするのは母親だと思うんで」と笑いながら付け加えた。

■どこかで筋書きが決まっていたかのような展開

ドキュメンタリーでありながらも、どこかで筋書きが決まっていたかのような、ダイナミックな展開を見せる同作。吉井は「自分のことを追いかけてもらっていたのに、初めて見た時は、すごくワクワクしたんですよ。自分のことなのにそう思うんだから、おそらく皆さんも楽しんでもらえるんじゃないかなと。僕の人生のキャリアのほとんどはミュージシャンだったわけですが、この映画のためにミュージシャンになったんじゃないかと思うくらい。過去にさかのぼりながら未来に向かっているような、不思議な感じがします」と噛み締めるように語った。

その流れで吉井が「宮地くんってドローン好きなんですよ。“ドローン宮地”とか、“ドローンえもん”とか呼んでいたんですけど」と笑いながら切り出し、「でもドローンというのは言い得て妙というか。(同作のもう1人の主人公である、URGH POLICEのボーカル)EROさんを俯瞰で見ていくと世界が見えてくるような。そういう不思議な撮り方をしているので。単にファンムービー的なものでもなく、ちゃんと世の中のことを俯瞰で見ている。そしてすごく今の時代を捉えてる。今、売れている音楽と似ているというか。僕らみたいな初老のふたりを撮っているだけなのに、すごく今っぽい映画になっているんですよ。この髪型のようにね」と宮地監督の個性的な髪型を指してみせて、会場をドッと沸かせた。

■吉井和哉「僕の魂が撮っている感覚。監督とは一心同体」

宮地監督の朗らかな姿に、吉井も「ドキュメンタリーのカメラマンの方って、(映像の)切り取り方とか繋ぎ方とかクセが強い人もいたりするんですけど、宮地監督はすごく品が良くて。僕はそこですごく油断してしまったというか。見事に後ろから抱かれてしまったというか。だから、僕の魂が撮っているみたいな感覚。(監督と)一心同体な感じが絶対伝わると思うので。EROさんだってあんな風に(撮影)初日から人を部屋に入れないんですよ。でもあのEROさんが、あの猛獣が、フニャンとなっちゃったんで。そこを注目して見ていただきたいです(笑)」とコメント。

すると宮地監督が「僕もドローン宮地じゃないですけど、カメラが本体(=自分の身体)かなと思う時もあるんです。カメラを回さずに吉井さんと会話したことって、最近のプロモーション以外なくて。カメラが本体だったのかなと最近思います」としみじみコメント。すると、すかさず吉井は「(頭がカメラになっている)映画泥棒みたいな感じですね」と笑顔でツッコミを入れた。

そして、これから本編を見る観客に向けて宮地監督は「僕は、吉井さんがEROさんの家で過ごしている時間がすごい好きで。先ほど吉井さんがおっしゃった、時間がさかのぼるような感覚というのを、撮っている僕もちょっと味わったんです。年齢とともに人間って変わると思うんですが、ふたりの間に流れている空気みたいなものは、昔から変わっていないんだろうなと感じた瞬間があって。そこに永遠みたいな、ずっと続きそうなものを見た感じがありました。きっと皆さんにも、吉井さんにとってのEROさんのような存在の方がいらっしゃると思います。その人のことをちょっとでも思い返してもらえたら幸いです」と呼びかけ、イベントを締めくくった。


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