今季のF1は、今週末からの3連戦をもって閉幕となる。その最初の舞台は、カジノの街アメリカ・ラスベガス。高級ホテルやカジノなどが連なるラスベガスの目抜通り”ストリップ”をF1マシンが全開で駆け抜ける様は、現代のF1を象徴するシーンのひとつだと言えるだろう。
その煌びやかな景色とは裏腹に、レースは過酷。しかも砂漠地帯の気候&ナイトレースということもあり、ある意味独特の対応が求められる。特に各チームが悩まされるのは、その気温と路面温度であろう。例年気温と温度は、他のグランプリでは経験できないほど下がる。今季も、グランプリ開催3日間の最低気温は8〜9度という予報が出ており、いかにタイヤを温め、適切に機能させられるかどうかが鍵となる。
こういうコンディションで強さを見せてきたのはメルセデスである。メルセデスは昨年のラスベガスGPで、全てのセッションでトップタイムをマーク。ジョージ・ラッセルはポール・トゥ・ウインを成し遂げた。
ただ今年に向けては、チームは自信を持てていないという話も聞こえてきており、昨年と同じような活躍ができるとは限らない。
レッドブルとマックス・フェルスタッペンにとっては、負けられない1戦である。前述の通り今季残りは3戦。フェルスタッペンはランキング首位のランド・ノリス(マクラーレン)とのポイント差は49である。大逆転でのタイトル獲得を目指すためには、今回大きくそのポイント差を縮めなければならず、ひとつでも上の順位でフィニッシュすることが求められる。
そしてこれは毎回申し上げていることだが、フェルスタッペンをサポートする上では、チームメイトである角田裕毅の活躍も非常に重要だ。角田がフェルスタッペンとマクラーレン勢の間でフィニッシュすれば、それだけポイント差を縮めることにつながる。
ちなみに今回のグランプリが終わった時点でノリスとの差が58ポイント以上に開いてしまえば、その時点でフェルスタッペンのタイトル獲得の可能性は潰えることになる。
一方でマクラーレンにとっては、昨年、一昨年と、このラスベガスGPはうまくいかないグランプリであった。たとえば昨年は、ノリスの6位がマクラーレン勢最上位。しかし勝ったラッセルからは43秒も遅れてしまったのだ。同年のコンストラクターズチャンピオンを獲得したにも関わらずだ。彼らが今年どんな走りを見せるかという部分も、注目すべきところだ。
また各チームが、スペシャルカラーリングのマシンを登場させるところも、今回の注目ポイントと言えよう。
このラスベガスGPも、DAZNでは全セッションがライブ配信される。決勝レースは現地時間の土曜日夜に行なわれるが、時差があるため日本時間で言えば昼間に観戦することができる、ある意味観戦しやすいグランプリと言えよう。
しかも今回のグランプリから、配信開始時刻が前倒しになる。フリー走行1回目から予選は、セッション開始15分前から配信スタート。決勝はスタート1時間前からの開始となり、予選ハイライトや角田裕毅のオンボード映像、各ドライバーのインタビューなどが差し込まれる。
なお併催のF1アカデミーも、全セッションがライブ配信される。
■11月21日(金)
9:15 F1フリー走行1回目 実況:サッシャ/コメンテーター:浅木泰昭
11:00 F1アカデミーフリー走行 実況:市川勝也
12:45 F1フリー走行2回目 実況:サッシャ/解説:柴田久仁夫
14:30 F1アカデミー予選 実況:市川勝也
■11月22日(土)
9:15 F1フリー走行3回目 実況:サッシャ/解説:田中健一
11:15 F1アカデミーレース1 実況:市川勝也
12:45 F1予選 実況:サッシャ/解説:中野信治
■11月23日(日)
9:20 F1アカデミーレース2 実況:サッシャ
12:00 F1決勝 実況:サッシャ/解説:中野信治

