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「人生一度きり、後悔のないように」倍賞千恵子と木村拓哉が人生の旅を体現する『TOKYOタクシー』に寄せられる感動の声

「人生一度きり、後悔のないように」倍賞千恵子と木村拓哉が人生の旅を体現する『TOKYOタクシー』に寄せられる感動の声

「男はつらいよ」シリーズなど、多くの名作を世に送りだしてきた山田洋次が監督を務める松竹創業130周年記念作品『TOKYOタクシー』。フランスの人気映画『パリタクシー』(22)を原作に、倍賞千恵子と木村拓哉の共演で感動のドラマを描きだす本作が、11月21日(金)から公開される。

【写真を見る】すみれの2つの時代が映しだされる『TOKYOタクシー』
【写真を見る】すみれの2つの時代が映しだされる『TOKYOタクシー』 / [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

MOVIE WALKER PRESSでは、公開に先駆けて行われた試写会の参加者にアンケートを実施。歳の離れた“タクシー運転手”と“客”によるたった一日の旅を通して映しだされる人情、時代の変化、東京の街並みなど、様々な視点から寄せられた感想と共に本作の見どころに迫っていきたい。

■マダムとタクシー運転手、2人の偶然の出会いが人生を動かしていく

はじめは互いに無愛想だったすみれと浩二の間にも、しだいに絆が生まれる
はじめは互いに無愛想だったすみれと浩二の間にも、しだいに絆が生まれる / [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

日々休みなく働くも、娘の音大付属高校への進学、家の更新費などが重なり、次々とのしかかる現実に頭を悩ませる個人タクシー運転手の宇佐美浩二(木村)。ある日、知人の運転手からの紹介で85歳のマダム、高野すみれ(倍賞)を、東京の柴又から神奈川、葉山の高齢者施設まで送り届けるという急な依頼を受ける。

最初は互いに無愛想だったが、会話を重ねるうちに心を開き始め、すみれは「東京の見納めに、いくつか寄ってみたいところがあるの」と浩二に寄り道をお願い。思い出の地を巡るうちに、やがて自身の壮絶な過去を語り始める。たった一日の旅が、やがて2人の心を、そして人生をも大きく動かしていく…。

■昭和、平成、そして令和へ。山田洋次が見つめてきたそれぞれの時代の人間ドラマ

すみれの若かりし日々を回想しながら、その時代ごとの感情が描かれていく
すみれの若かりし日々を回想しながら、その時代ごとの感情が描かれていく / [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

代表作の「男はつらいよ」シリーズをはじめ、これまで数多くの人間ドラマを手掛けてきた山田監督らしく、本作でも、蒼井優が演じるすみれの回想を通じ、昭和、平成、令和と時代ごとの喜びや苦悩、哀愁といった切実な感情をスクリーンに浮かび上がらせる。

イ・ジュニョン演じる初恋相手との輝かしい日々など、すみれの人生を振り返る
イ・ジュニョン演じる初恋相手との輝かしい日々など、すみれの人生を振り返る / [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

例えば、東京大空襲によって下町が火の海となった戦争の記憶や、ダンスフロアで楽しげに踊る初恋の高揚、祖国再建運動による在日朝鮮人の恋人との悲しき別れ、DVという言葉もなく、家庭内暴力が離婚の理由にならないなかでの我慢の結婚生活…と、すみれが生き抜いた激動の日々を、美しくもノスタルジックに、そして時にはダークに映しだしていく。誠実に描かれた人間ドラマには「引き込まれた」、「身に沁みた」といった感想が多く寄せられていた。

「人生、なにがあるかわからない。だからこそ、一日一日を大切にしっかり生きようと思いました」(30代・女性)
「もっとほのぼのした物語だと思っていたら、ジェットコースターのような物語で驚いた」(50代・女性)
「一人の女性の人生そのものを映す、人情味のあふれる映画でした」(30代・男性)
「一人の女性の波乱万丈な人生をたった一日のドライブのなかで穏やかに回想する構成に引き込まれた」(50代・男性)

本作の肝となる“人情”を深めているのが登場人物たちによる交流。倍賞と木村に加え、若かりしすみれを演じた蒼井、迫田孝也に優香、中島瑠菜といった豪華キャストが名を連ねた本作では、タクシー運転手と客という“究極の一期一会”から生まれるすみれと浩二の絆をはじめ、すみれが過去に出会った人々や浩二の家族、さりげないご近所付き合いの様子まで、人と人とのつながりを丁寧に活写している。

すみれが抱える衝撃的な過去が明かされていく
すみれが抱える衝撃的な過去が明かされていく / [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

「高齢者施設でまた会いに行くと約束したシーン。2人の間にしっかりとつながりができ、すみれが過ごしていくうえでの“力”になったと思う」(30代・女性)
「浩二が手紙を読んでいるシーン。すみれと出会ったことをとてもうれしく思っていたのだと思います」(50代・男性)
「すみれの息子が背中の傷を隠していたシーン。母を想うシーンに涙が出た」(40代・女性)
「公園でパンを食べているすみれさんの背中の丸まりや歩き方に老人の哀愁があるが、やはりイイ男を前にした時にちょっと華やぐ心の動きがよかった」(50代・女性)

数々のシーンで垣間見える、思いやりが感じられるやりとりや人と触れ合うことで動きだす感情の変化を描いた物語は、多くの観客を温かな気持ちにしたようだ。
浩二の妻を優香が、娘を中島瑠菜が演じる
浩二の妻を優香が、娘を中島瑠菜が演じる / [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会


■仕事に打ち込む浩二、衝撃の過去を持つすみれ…様々な世代を反映した共感できる人物

この人間模様を織り成す一人一人の人物もリアリティがあり、終活中&若き日のすみれを筆頭に、働き詰めな父親世代の浩二、進学を控える娘の奈菜(中島)、進学費や生活費に頭を悩ませる浩二の妻、薫(優香)と、年齢や性別、立場が異なる様々な属性のキャラクターたちは、それぞれ共感できるような普遍性や心に響くポイントを持っている。

山田洋次監督作に出演し続けてきた“ミューズ”倍賞千恵子が、主人公のすみれをチャーミングに演じる
山田洋次監督作に出演し続けてきた“ミューズ”倍賞千恵子が、主人公のすみれをチャーミングに演じる / [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

そのなかでも、やはり印象に残ったという声が多かったのがすみれと浩二の2人。「すみれが、最後に自分が好きだった東京を巡れた喜びが伝わってきた」(40代・男性)とあるように、東京から葉山の高齢者施設へと移り住むにあたり、最後にゆかりの地をまわっていくすみれを倍賞がチャーミングに表現。衝撃的な過去など、彼女の口から徐々に明かされていく波瀾万丈な人生を追体験しているかのようで、共感を覚えたという意見も。

「すみれが東京大空襲の話をしたシーン。私の父が日本橋生まれ、育ちのため、父から聞いた話と重なった」(50代・女性)
「若き日のすみれが、不器用ながらも小さな幸せを手に入れようと必死で生活していく姿が印象的」(50代・男性)
「若いころのすみれが、自分の子どもの背中にある傷を見るシーン。知らなかった自分自身を一番に責めているのだなと、私も同じ母として思いました」(30代・女性)
「すみれの昔の思い出に引き込まれ、タイムスリップしたようだった」(60代・女性)

木村拓哉演じる浩二は、働けど働けど苦しい生活を強いられる、令和の時代を体現するキャラクター
木村拓哉演じる浩二は、働けど働けど苦しい生活を強いられる、令和の時代を体現するキャラクター / [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

一方の浩二は、娘を音大付属高校に入れるため、朝帰ってきたと思えば小休止を挟んですぐ昼から働く日々を送る。働けど働けど生活は苦しいが、それでも家族のために身を粉にする等身大な父親だ。無愛想ながらも、実は熱い心も秘めており、すみれの驚愕のエピソードに対する驚きや戸惑いといったさりげないリアクションをはじめ、木村が作り上げるリアリティのある人物像には共感の声が寄せられた。

「浩二と同世代なので、抱えている問題に共感しました」(40代・男性)
「(浩二は)口下手で、会話をすることは得意ではないが、内に熱い想いを秘めているところがよかった」(30代・男)

すみれのかつての夫、小川を演じるのは迫田孝也
すみれのかつての夫、小川を演じるのは迫田孝也 / [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

さらには「昭和の時代を映すような人物像でした」(30代・男性)というコメントもあったすみれのかつての旦那、小川(迫田)まで、時代を見つめ続けてきた山田監督だからこそ演出できるリアルな人物描写は観客の印象に残ったようだ。

■ノスタルジックに描かれた“東京”の姿に思い出が蘇る…

そんなキャラクターと並び、本作のもう一つの主役と言えるのが、東京の街並み。これまでも「男はつらいよ」、『母べえ』(08)、『おとうと』(10)、『東京家族』(13)、『こんにちは、母さん』(23)などの作品で東京を見つめ続けてきた山田監督。

東京大空襲といった実際の出来事も語られながら、東京の地が映される
東京大空襲といった実際の出来事も語られながら、東京の地が映される / [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

今作では、すみれと浩二が初めて出会う柴又帝釈天をはじめ、雷門、上野恩賜公園、渋谷のスクランブル交差点といった誰もが知る観光名所はもちろん、言問橋や下町の何気ない路地の風景といったローカルな場所にもカメラを向け、時代によって移ろってきた変化や東京のいまの景色を映しだしていく。

「私が妻と巡ったところばかりが映り、思い出が蘇りました」(50代・男性)
「『こんにちは、母さん』でも東京大空襲を描かれていて、山田洋次監督にとって大事な出来事、伝えたい出来事なんだろうと思いました」(40代・女性)
「東京の様々な場所がきれいに映っていて、見応えがあった」(60代・女性)
「たまに行く場所が多く出てきました。特に、神宮外苑のイチョウ並木は昨年あまりきれいな紅葉が見られなかったので、映画のなかではすてきですばらしい画だなと思いました」(50代・女性)

思い出や苦い記憶などを交えながら語られていく数々の風景に、劇中のすみれ同様に郷愁に駆られたという声も散見できた。

■東京の美しい街並みを背景に、人生をたどる『TOKYOタクシー』

『TOKYOタクシー』は11月21日(金)より公開!
『TOKYOタクシー』は11月21日(金)より公開! / [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

「一人の女性の人生の振り返りを、思い出と共に感じることができます」(40代・男性)
「いろいろな場所を巡りながら過去を振り返る。いい思い出も悪い思い出も、タクシーという個室だからポロッと本音を話せる。人生一度きりだから後悔のないように、と噛み締められる映画です!」(30代・女性)
「60歳くらいの、これから老後を迎える人なら考えさせられることがあるので勧めたい」(60代・女性)
「バイタリティのあるマダムの人生の話。想像を超える展開もある」(50代・女性)
「すみれの波乱万丈な人生と、人生の締めくくりを正面から受け止め、理解する浩二の姿に注目!」(50代・男性)

といった感想の数々からも見て取れるように、一人の女性の人生を、東京の街並みを楽しみながらドライブするような『TOKYOタクシー』。キャリアを通じて人の人生を見つめてきた山田洋次監督が描く温かな人間ドラマを観れば、自分の人生をそっと思い返したくなるかもしれない。

構成・文/サンクレイオ翼
配信元: MOVIE WALKER PRESS

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