「鬼メンタル」と揶揄されながらも、再び「田久保劇場」の第二幕が開くことになりそうだ。
11月17日に静岡県の伊東市役所で開かれた、田久保真紀前市長の失職に伴う市長選立候補予定者説明会。今年2回目となる市長選には「市政の正常化を!」を掲げる元市長や前市議、NPO法人代表など複数の立候補予定者がすでに名乗りを上げているが、説明会には田久保氏を含めた12陣営が参加。選管関係者によれば、過去最多の候補者数になる可能性が高いという。
田久保氏は今年5月の市長選で現職候補を破り、初当選。直後に学歴詐称問題が露呈し、伊東市民と市議は大混乱に陥った。そして二度の不信任決議の末、10月31日付で失職することに。
そんな田久保氏が11月11日、匿名で送られてきたとする「布石の一手!!」と書かれたハガキをXにアップして「ありがとうございます!」「押忍!!」とポスト。出直し選挙への立候補の意思が固まったようだと、再び大騒ぎになった。
地元記者が呆れ顔で語る。
「10月に行われた議会解散に伴う市議選では、定数20のうち『田久保派』で当選したのは1人だけ。つまり現在の伊東市は、完全に反田久保派で固められているわけです。そんな中での再出馬には、いったいどんなメンタルをしているんだ、と疑いたくなりますが、彼女のXには批判だけでなく熱烈な応援コメントも寄せられており、一定数の支援者がいることは事実。ただ、地方自治法違反容疑で刑事告発されていることもあり、出馬したとしても厳しい戦いになるでしょう」
とはいえ、この地元記者は、
「立候補者が乱立すれば、構図としては田久保氏に有利に働く可能性もある」
とも付言するのだが、いったいどういうことなのか。
「下馬評では現在、前市長の小野達也氏が最有力とされますが、小野氏は2017年に伊東市長に就任するも、2021年にはメガソーラー事業をめぐるスキャンダルが問題視された。今年5月の市長選では自公、連合静岡、地元企業など約70の組織と団体推薦を得てもなお、市民からノーを突きつけられて田久保氏に敗れています。さらに伊東市は首都圏からの移住者が多いため、田久保氏が訴える改革を支持する若い世代は少なくない。そんな若い層が今回の『田久保劇場』をどう捉えたかが、カギを握っていると思いますね」
可能性は極めて低いものの、仮に田久保氏が再当選した場合、市議会が不信任を突き付けて、再び市議会解散となるのは必至。まさかの「無限ループ」が頭をよぎるが、市長選に投入される約1億円といわれる費用はむろん、伊東市民の血税だ。
12月7日告示で、投開票は14日。波乱の幕開けが間近に迫っている。
(灯倫太郎)

