
TVアニメ「桃源暗鬼」(毎週金曜夜11:00-11:30/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)の第十六話が10月31日に放送された。人質にされた少女を救うため、一ノ瀬四季と皇后崎 迅がタッグを組む。犬猿の仲だった2人の友情の芽生えが描かれ、SNS上で感動が巻き起こった。(以降、ネタバレが含まれます)

■犬猿の仲だった四季と皇后崎の共闘に胸熱
一ノ瀬四季(CV:浦 和希)たちは皇后崎 迅(CV:西山宏太朗)を救出することに成功。皇后崎はすぐに人質にされている少女を助けに行こうとするが、淀川真澄(CV:田丸篤志)に止められる。それでも一切引こうとしない皇后崎から只ならぬ空気感を感じ取り、無陀野無人(CV:神谷浩史)に「行かせてやったほうがよくね?」と進言するのは四季だ。
それを聞き、無陀野は戻り次第事情を話すことを条件に少女の救出を許可する。四季も含め、3人で少女が入院する病院へと向かうが、敵の気配を感じ取った無陀野は途中で離脱。四季と皇后崎が到着すると、病院は燃やされていた。桃巌深夜(CV:沢城千春)の指示で、半グレの男が放火していたのだった。
危険も顧みず、少女の救出に向かおうとする皇后崎。普段の冷静さを欠いた皇后崎に四季は「しっかりしろや!」「助けたいやつがいんだろうが。だったらテンパってんじゃねえよ」と喝を入れ、正気を取り戻させた。さらに、四季はある作戦を提案する。
“鬼神の子”の力なのか、なぜか四季は火の中でも暑さを感じなかった。そこで並木度 馨(CV:石谷春貴)の血が入った小瓶で皇后崎に逃げ遅れた人たちの居場所を見つけてもらい、四季が助けに向かうことに。
出会った時から折り合いが悪く、顔を合わせるたびにいがみ合ってきた四季と皇后崎。お互いに文句を言いながらも、協力し合って首尾よく人々を救出していく2人の共闘に思わず胸が熱くなった。

■皇后崎「悪くない」に込められた四季への信頼感
最後の一人となった人質の少女を助けることに成功した四季だが、皇后崎のところに戻ってきた瞬間、建物が崩壊し始める。皇后崎はとっさに2人を庇い、瓦礫の下敷きに。一命は取り留め、かろうじて意識もあったが、足が挟まって動けず、四季に少女を安全な場所まで運ぶように命じた。
四季は後ろ髪を引かれながらも、「すぐ戻る!」と告げて建物の外へ走る。再び戻ってきたら、四季も建物の崩壊に巻き込まれてしまうかもしれない。2人はただの同級生で、四季に皇后崎を助けるメリットはないはずだ。それなのに、四季があくまでも自分を救う理由が皇后崎にはわからなかった。
なぜなら皇后崎は羅刹学園に入学するまで、一人で生きてきたから。誰かに助けてもらおうと思ったことはないし、誰かが自分を助けてくれるとも思わなかったのだ。だが、皇后崎はなぜか「四季なら助けにくる」と思っている自分がいることに気づく。これまで何度も助けられ、知らず知らずのうちに皇后崎の中で四季への信頼感が芽生えていたのだろう。
予想通り、自分を助けに戻ってきた四季から差し伸べられる手を皇后崎は素直に掴む。「頼れるやつがいるってのも悪くない」と思いながら、皇后崎が告げた「ありがとな」は四季の耳に届かなかった。しかし、確かに芽生えた2人の友情に、SNS上では「皇后崎くんと四季くんの友情熱いな〜」「憎まれ口叩きながらもお互いの事分かりあってるのが良い」「いつもどんな時も真っ直ぐで誰にでも笑いかけ手を差し伸べられる強くカッコいい四季くんが大好き」「皇后崎の顔が見えて目が会った瞬間に安堵の表情になる四季が愛おしくてたまらん」と感動が巻き起こっていた。
■四季と神門の友情に危機?

四季と皇后崎の絆が深まった一方で、四季と桃寺神門(CV:土岐隼一)の友情には危機が訪れた。少女を無事に救出した後、皇后崎の中である疑問が浮かぶ。桃にとってまだ利用価値があるはずの少女をなぜ殺そうとしたのか。少女に妹がいることを思い出した皇后崎。そこから妹を交渉材料にし、鬼神の子である四季を捕まえようとしているのではないかという一つの可能性が浮かび上がった。
だが、少女の妹の居場所は不明。かつ見つけようにも、何の手がかりもない。すると、四季が「見つけられるやつに心当たりがある」と突然誰かに電話をかけ始める。その様子を密かに監視していたのが深夜だ。自分が持つ細菌を含んだ物や体液を取り込んだ者の視界を左目で覗ける深夜。その能力で皇后崎の視界を乗っ取り、動きを見張っていたのだ。
一方で、深夜の能力には対象者の会話は聞こえないという弱点があった。そのため、四季と皇后崎が何を話しているかまでは分からなかったが、隣にいた神門のもとに電話がかかってくる。深夜は神門がまるで四季と会話しているように見え、無理やり電話を替わらせる。案の定、電話の相手は四季だった。四季は少女の妹の居場所を特定するため、警官だと思っている神門に人探しを頼もうとしたのである。
お互いに鬼と桃だと気づかず、友情を深めていた四季と神門の関係に深夜がとうとう気づいてしまった。一方、無陀野は二十部隊副隊長・桃角桜介(CV:小野友樹)と対峙。かつては戦闘部隊のエースとして活躍していた無陀野の戦いぶりに期待が高まる。
◆文/苫とり子


